イラストクリエイターを守る新しいサービス「emamori」
近年、画像生成AIの急速な普及が進んでいます。その中で、特定のクリエイターの作品が無断でAI学習に利用される事例が増え、これに対する懸念が広がっています。この状況を受けて、一部のクリエイターはイラストをSNSや他の投稿サイトから非公開または削除する動きを見せています。
このような中で、当社は新たなツールとして「emamori」を開発しました。このツールは、イラストに特殊なノイズを追加することで、AIによる模倣を防ぐことを目指しています。2023年8月2日から招待制のベータ版が公開され、クリエイターたちに安心して作品を発表できる場を提供しています。詳細は
こちら。
クリエイターのための新しいソリューション
他のイラスト投稿サービスもスクレイピング対策や利用規約の見直しを行なっていますが、「emamori」ではイラスト自体に保護対策を施すことで、クリエイターが作品を安心して公開できる環境を整えています。具体的には、後述する取締技術「Mist」を使用し、イラストに付加されるノイズによりAIによる模倣を防ぎます。
イラスト保護の効果について
保護の効果を確認するため、元のイラストをAIモデルに学習させ、同じスタイルのイラストを生成した場合の結果を示します。まず元イラストに対してAIを用いた結果が以下の通りです。
このように元イラストをそのまま使用すると、AIは比較的容易に作風を模倣できます。しかし、保護が施されたイラストを使用すると、出力されたAIイラストは元の作風とは異なる結果となり、模倣が難しくなります。
このように、保護されたイラストには一定の効果が見られ、AI学習による模倣行為が著しく困難になることが確認されました。
簡単な操作でイラスト保護
利用者は非常にシンプルな操作で保護を行えます。サイト上に保護したいイラストをアップロードするだけで、保護処理が行われ、処理が完了したイラストは自動的にタイムラインに投稿されます。また、外部との共有も簡単に行なえます。AI学習対策が行われたイラストを一般公開し、元のイラストは閲覧範囲を限定することも可能です。
現時点では、emamoriは招待制を採用しており、今後の利用は順次拡大する予定です。
技術の基盤「Mist」
「emamori」の基盤となるのはMist技術です。この技術は、類似サービスと比較しても高い防御力を誇り、特にimg2imgと呼ばれる手法に対して強力な保護を提供します。詳細な情報は、
こちらの公式論文で確認できます。
ライセンスとオープンソース
Mistの技術はGPL v3.0に基づいており、emamoriにおけるノイズ追加の仕組みもこのライセンスのもとで利用されています。また、ソースコードはGitHubで公開されていますので、技術に興味のある方はぜひご覧ください。
GitHubページはこちら
企業情報とお問合せ
「emamori」を提供するのはSnackTime株式会社です。設立は2021年11月で、東京都港区六本木に本社があります。インターネットサービスやアプリケーション開発を行っており、クリエイターの権利を守るための新たなサービス提供に努めています。
何か質問がある場合は、以下の連絡先までお知らせください。
新しいイラスト保護サービス「emamori」を通じて、クリエイターが安心して作品を発表できる環境が整うことを期待しています。