Z世代が体験する就職活動の現実
近年、就職活動に対する意識が変わりつつある中、Z世代(1997年~2012年生まれ)の学生たちはその現状に捕われています。特定非営利活動法人キャリア解放区が行った最新調査によると、就活生の実に8割が「現在の就職活動には違和感を感じている」という結果が得られました。これは、既存の就活のシステムや文化が彼らにとってどう作用しているのかを浮き彫りにしています。
1. 就職活動中の違和感を抱く学生たち
調査によると、就活経験者の80%が、活動中に感じた違和感を口にしています。この結果は、Z世代の価値観が、既存の就活慣行にうまくフィットしていないことを示唆しています。特に、就職市場が売り手市場とされる中でも、精神的な負担や不安を抱えている若者が多いことがわかりました。
2. 「陽キャ」に対する偏見と嫉妬
就職活動を通じて、特に陽キャ(明るく社交的なタイプ)に強い感情を抱く学生も少なくありません。調査によると、3人に1人が「陽キャばかり得をする」と感じており、就活中に陽キャを演じることへの苦痛も明らかに。実際、陽キャのフリをすることを選んだ人は6%に過ぎず、自己を偽ってしまう苦しさを訴える場面が見受けられます。
3. 急増する「いつわり就活」の実態
また、調査結果では約30%の就活生が、エントリーシート(ES)や面接において「いつわり」を経験していることがわかりました。例えば、第一志望でない企業を志望と言ったり、他人のエントリーシートをコピペするなど、真実から逸脱してしまうケースが続出。これらは、厳しい競争環境において自己を守るための防衛策として選ばれているのではないでしょうか。
4. 学業よりも就活を優先せざるを得ない状況
Z世代が抱えるもう一つの困難は、大学の授業よりも就職活動を重視しなければならないという現実です。27%の学生がこの状況に違和感を持ち、実際に講義を休む学生も28%に上りました。本来の学生生活を犠牲にするのは、学びの重要性を再考させる問題です。
5. 新卒採用に対する過度なプレッシャー
新卒での就職ができなければ、人生の成功を掴めないという強迫観念を持つ学生もいます。実際に20%が新卒就活の失敗を恐れ、15%が就職活動を放棄すると「普通のレール」に戻れないことへの恐怖を感じています。これが、若者たちにかかるプレッシャーを一層強めているのです。
6. 「リクスー」や独自ルールへの変化の必要性
さらに、就活のルールや服装に関する独自のルールへの違和感も広がっています。約4人に1人がリクルートスーツの着用に疑問を持っており、ドアの開け方なども含まれる謎のマナーに疲弊しています。多様性が求められる昨今、従来のマニュアルからの脱却が求められています。
7. キャリア解放区の新たな挑戦
こうした現状を受けて、キャリア解放区では新たな試みとして「就活アウトロー採用」プログラムを展開中です。多様性を尊重し、従来の枠にとらわれない採用活動を進めています。2024年度には、プログラム名を「#ぼくらの就活」に改め、リブランディングを図ります。そして、社会人サポーター制度を導入し、より手厚いサポートの提供を目指します。
キャリア解放区の取り組みにより、Z世代が抱える就職活動のストレスや違和感が少しでも軽減されることを期待しています。今の就職活動がZ世代にどう適応されていくのか、引き続き注目が必要です。