IBMが発表した2024年度第3四半期の連結決算
2024年10月23日、ニューヨーク州アーモンクより、IBMが2024年度第3四半期の連結決算を発表しました。IBMの会長兼CEO、アービンド・クリシュナ氏は、ソフトウェア事業の2桁成長が業績を後押ししたとコメントしています。この四半期は特に、Red Hatの成長が顕著であり、生成AI関連のビジネスも加速していることが報告されました。
第3四半期の業績ハイライト
収益の動向
- - 総収益: 第3四半期の収益は前年同期比で1%増の150億ドル。為替変動を調整すると、2%増に。
- - ソフトウェア事業: このセグメントは10%増の65億ドルを記録し、特にハイブリッド・プラットフォームが10%増を達成しました。Red Hatも14%の増加。
- - コンサルティング事業: 横ばいの52億ドル。技術コンサルティングは約4%減。
- - インフラストラクチャー事業: 収益は7%減の30億ドルとなりました。
利益率
- - 売上総利益率: GAAPベースで56.3%、営業利益率は57.5%と改善が見られました。
- - フリー・キャッシュ・フロー: 66億ドルを記録。前年同期比で4億ドルの増加を達成しました。
しかし、営業利益率に関しては、引き続き成長が期待され、通年でのフリー・キャッシュ・フローは120億ドルを超える見込です。
セグメント別詳細
- - ソフトウェア事業は全体で9.7%の増加を見せ、特にオートメーションとデータ&AIにおいてもプラス成長。
- - コンサルティング事業は微減ながら、ビジネス・トランスフォーメーションでは成長を見せています。
- - インフラストラクチャー事業は若干の減少があり、特にIBM z Systemsが19%の減少となりました。
フリー・キャッシュ・フローと財務状況
第3四半期の純現金収入は前年比で減少していますが、フリー・キャッシュ・フローが前年比で4億ドル増となりました。手元現金は137億ドルと前期比で増加し、全体の財務基盤が安定していることが分かります。
将来の展望
今後の見通しについては、第4四半期の収益成長率は第3四半期と同じ水準になると予測されており、換算による影響は約0.5ポイントのマイナスになりそうです。生成AI関連のビジネスは引き続き堅調で、現在その規模は30億ドルを超えており、成長のカギとなるでしょう。
最終的には、IBMは今回の決算を通して、自社の成長戦略が効果を上げていることを実感できたのではないでしょうか。生成AIやソフトウェアビジネスを中心とした取り組みが、今後の成長をさらに加速させることでしょう。成功にはリスクも伴いますが、IBMの強固な基盤と先進的な技術が、未来を切り拓くことに期待が寄せられています。