北海道大樹町でのVP01打上げに関する報告
2023年7月12日、北海道大樹町のスペースポート(HOSPO)において、jtSPACE株式会社が開発したサブオービタルロケット「VP01」の安全打上げが行われました。この打上げでは、地元の大樹町とSPACE COTAN株式会社が、打上げの安全監理を担当し、さまざまな役割分担がなされました。
打上げの役割分担について
今回の打上げについては、以下のような役割分担が強調されました。
- 打上げの実施
- 打上げ時の安全監理(陸海空の安全確保)
- 安全対策の実施結果を報告すること
- 関係機関や地域との調整
- 安全審査の実施
- 打上げ結果の確認
安全審査について
安全審査は、日本航空宇宙工業会が定めたガイドラインや、大樹町のローカルガイドラインに基づいて実施されました。これにより、「HOSPO安全管理方針」と「HOSPO安全基準(サブオービタル)」に従った安全対策の妥当性が審査されます。
打上げ結果の確認
jtSPACEから提出された報告書では、主に以下の2点が確認され、VP01の打上げが安全に実施されたと評価されました。
1. 打上げ時の安全監理が安全基準に沿って行われたこと。
2. 打上げ後、異常が発生した際、事前に設定された条件に従ってFTS(Flight Termination System)が作動し、ロケットが警戒範囲内に落下したこと。
FTSは、ロケットが異常な事態に陥った場合に周囲の安全を確保するために作動する仕組みで、打上げ時には非常に重要な役割を果たします。
VP01ロケットの概要
- - 名称: VP01
- - 全長: 12メートル
- - 直径: 0.6メートル
- - 重量: 1.4トン
- - エンジン: 固体燃料の合成ゴム、亜酸化窒素を使用したハイブリッド方式
- - 推力: 第一段6,500 kgf、第二段1,100 kgf
- - 予測最高高度: 約100km
この打上げにより、大樹町は今後の宇宙産業の発展に寄与し、宇宙版シリコンバレーの実現に向けた一歩を踏み出しました。大樹町は、宇宙産業の発展を追求する中で、地元の経済活性化にも寄与していく考えです。
今後の展望
大樹町およびSPACE COTANは、2024年10月に国際宇宙港との協力に関する覚書を締結する計画があります。これにより、さらに打上げ需要の拡大に対応し、国際的な標準化を目指す取り組みを進めていくとしています。
今後も北海道スペースポート(HOSPO)を中心に、宇宙産業のさらなる発展と地域の活性化を目指す事業の動きが加速していくことでしょう。