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衝撃の実態を描く『ブラック郵便局』

2025年2月17日の発売を前に、調査報道の粘り強い取材が結実した書籍『ブラック郵便局』が全国的な注目を集めています。この本は、長年にわたり郵便局内で何が行われていたのかを厳しく追及し、複雑な内部事情を浮き彫りにしている作品です。
著者は西日本新聞社の記者、宮崎拓朗氏。彼は6年以上にわたり、全国の郵便局で起きている不正と過酷な労働環境について深く掘り下げました。その結果、多くの局員からの告発を受け、自腹でのノルマ達成やパワハラの実態が明らかになっています。

過剰なノルマとパワハラの実態

本書によれば、約2万4000の郵便局で働く局員たちは、信じられないほどの過剰なノルマに追われているのです。たとえば、年賀はがきの販売で自身の財布から100万円も出金して自爆営業を強いられる局員の声が紹介されています。このような慣習は、過剰な業務を強いる会社の体質と深すぎる関連を持っていると言えます。

一方、上層部によるパワーハラスメントが蔓延していることも指摘されています。精神的な圧力から、親族や友人に相談できず、孤立してしまう局員たちが多く、最終的には自ら命を絶つという痛ましいケースも報告されています。

「現役の郵便局長です」と名乗る実名の告発者が「局長は票の獲得にノルマを課されており、業務そっちのけで選挙運動をさせられています」との声を寄せた事例もあり、組織内部の腐敗ぶりを如実に示しています。

取材の過程

2018年の夏、宮崎氏は初めて郵便局の不正営業に関する記事を執筆しました。それ以降、全国から不正を証言するメールや投書が殺到しました。実際の取材は長時間におよび、日々夜遅くまで情報提供者とのやり取りを重ね、様々な内部事情を聞き出しながら進められました。

その一つ一つの記事が、取材を進めるための足がかりとなり、やがては執筆する本へと繋がっていく過程は、非常にスリリングであり、また苦悩すら伴いました。

社会への呼びかけ

本書は、私たちの日常生活に身近な郵便局の裏側を知る機会を提供します。一般的には笑顔で接客する局員たちの裏には、我々が知ることのなかった深刻な環境が存在しているかもしれません。私たちが届けられる郵便物の裏側に隠された現実を見つめることで、少しでも状況改善の助けになることを願う著者の思いが込められています。

この衝撃の実態とその背後に広がる「闇」を、ぜひ一度手に取ってみてください。きっとあなたの認識が変わることでしょう。

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