BD(ベクトン・ディッキンソン アンド カンパニー)が、エドワーズライフサイエンス社によるクリティカルケア事業の買収を完了しました。この発表は2024年9月3日に行われ、今回の買収によりBDは自社のアドバンスド ペイシェント モニタリング部門を強化し、AI対応の臨床意思決定ツールや先進的なモニタリング技術を取り入れた新しい医療ソリューションの開発を目指します。
買収後、この部門はBD アドバンスド ペイシェント モニタリングと改名されることが発表され、カリフォルニア州アーバインを拠点に運営されます。これにより、BDは医療業界におけるAI、ロボティクス、および自律型ソリューションを活用し、患者ケアの質向上とコスト削減を追求する姿勢を強化します。
BDの会長兼CEOであるトム・ポーレン氏は、医療業界が急速に進化しているなかで、患者により良いケアを提供するために新技術の導入が不可欠であると述べています。BD アドバンスド ペイシェント モニタリングの新しい取り組みは、これまで以上に多くのイノベーション機会を生むと期待されています。
具体的には、BD アドバンスド ペイシェント モニタリング部門は、ゴールドスタンダードであるスワンガンツカテーテルや、血行動態モニタリングデバイス、非侵襲的な組織酸素飽和度センサーなど、先進的な医療機器の開発を続けていきます。これらのデバイスは、機械学習やAI技術を用いた高度なデータ分析を通じて、医療従事者が患者の状況を的確に把握し、迅速な意思決定を行うためのサポートを提供します。
さらに、BDのこれまでの輸液プラットフォームと新たなモニタリング技術の組み合わせにより、患者の治療に役立つクローズドループアプローチが可能になります。これにより、ベストプラクティスに基づいた治療法が提供され、より質の高い医療が実現されると考えられています。
BD アドバンスド ペイシェント モニタリング部門には、これまでエドワーズライフサイエンス社でコーポレート バイスプレジデントを務めたケイティ・ザイマン氏がワールドワイド プレジデントとして就任します。彼女のリーダーシップのもと、さらに高い医療サービスの提供を目指し、BD全体の戦略に沿った活動が期待されています。
今回の買収がBDの2024年度の業績に与える影響は軽微であると予想されています。経済状況や市場環境の変化に応じて、新たな医療ソリューションがどのように展開されるのか、今後の展開に注目が集まります。BDは、医療機器業界でのプレゼンスを強化し、グローバルな競争の中でさらなる成長を目指します。