データで見る猛暑と生活者の外出行動
株式会社電通と株式会社unerryは、気候変動が生活者の外出行動に与える影響を探るため、行動データをもとにした共同調査を実施しました。この研究では、特に猛暑日における外出行動の変遷について地域別、曜日別に幾つかの傾向を分析しました。
気温の上昇は、もはや特異な現象ではなく、全国各地で影響が顕著です。特に最高気温が35℃を超える猛暑日の増加は、生活者の行動変容にどのように関与するかが明確に示されつつあります。2026年からは、気象庁が最高気温40℃以上の日を「酷暑日」と定義することが決まっており、今後も暑熱環境への対策が急務となるでしょう。
調査の背景と目的
今回の調査の主な目的は、猛暑日が生活者の外出行動にどう影響するかを定量的に分析し、その結果を企業や自治体が実施する対策の参考にすることにありました。調査対象は、2025年6月から9月までの全国の外出行動データです。
調査結果の要約
- - 土曜日の外出行動の変化: 猛暑日とは見なされていない気温31℃前後でも外出行動が抑制されることがわかました。特に土曜日の午後は日中(9時〜16時)の外出が夕方(18時以降)へとシフトする傾向が見られました。
- - 外出抑制の地域差: 一部の県、特に宮崎県や取り分ける徳島県では、土曜日の夕方以降に外出する人が増加する傾向が強かったのですが、他の地域との行動変化が必ずしも一致しないことも確認されました。
- - 公共交通機関の影響: 公共交通機関の利用率が高い都市では、他の交通手段よりも土曜日の夕方以降の外出シフトが見られにくいことがわかりました。この点は、日常的に利用される交通手段によっても影響を受けることを示しています。
調査の意義
この調査の結果は、猛暑による生活者の行動変化が、単に高温だけでなく、地域の特性やインフラ、さらには曜日による影響を受けることを明らかにしました。特に注目すべきは31℃前後から外出行動が変化し始めるという発見です。これは、熱中症リスクが高まる基準にも合致しており、日常生活の注意喚起を促す重要な指標となり得ます。この調査の結果をもとに、企業や自治体は適切な暑熱対策を講じることが求められます。
思い返せば、近年記録的な暑さが続く中で、自分の外出行動を振り返ると、やはり暑い日は外出を控える傾向が強まっていることを感じます。しかし、すべての地域で同様の傾向が見られるわけではありません。例えば、兵庫県や大阪府、神奈川県、愛知県などの都市部では、外出パターンの変化が限られている傾向が確認されています。このことは、都市のインフラや公共交通網が外出行動に与える影響を考える上での重要な示唆です。
今後の展望
電通とunerryは、今後の研究で、さらに購買データや住宅市場データ、生活意識データといった情報を組み合わせ、猛暑が生活者の消費行動や暮らしに及ぼす影響を多面的に探求していく計画をしています。また地域別、時間帯別、ライフスタイル別の行動特性を明可視化し、それに基づいて企業や行政が夏季の顧客接点をどう設計できるのかを明らかにすることも目指しています。この研究を通して、持続可能な社会の実現と生活者へダイレクトに役立つ情報提供を進めてまいります。