延岡市の小学生が参加した海洋教育「海の学校2025」最終回レポート
2025年7月15日、延岡市の緑ヶ丘小学校の6年生35名を対象に、海洋教育プログラム「海の学校2025」の第6回目のイベントが開催されました。この取り組みは、次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐことを目的としており、一般社団法人海と日本プロジェクトinみやざきが主催しました。
イベント概要
本プログラムは、延岡市教育委員会の協力のもと、小学校の児童を対象に海洋学習を行うもので、毎年4月から7月にかけて全6回のプログラムが実施されました。今年度のテーマは「宮崎の豊かな海を未来に残すには?」。陸上での座学や校外学習、専門家による講話などを通じて、子どもたちに地元の海の重要性やその恵みを認識させる内容となっています。
最終プログラムの実施
この日のプログラムは、終了前の締めくくりとして特に楽しまれているシーカヤック体験がメインです。講師には、NPO法人ひむか感動体験ワールドの成崎聡さんと、さかな芸人のハットリさんが参加し、子どもたちをサポートしました。まず、陸上でパドルの使い方や安全対策を学んだ後、いよいよ海へ漕ぎ出しました。
海での体験は、子どもたちにとって新しい発見の連続でした。カヤックを漕ぎながら水面を進むと、視界に広がる壮大な水平線と自然の美しさに感動し、波の揺れや海の感触を全身で感じることができました。「浜から見るのとは全然違う」といった感想が聞かれる中、自然の力を実感する瞬間が訪れました。
海の生き物観察
シーカヤック体験の後は、浜辺での生き物観察が行われ、ハットリさんがリードしました。子どもたちは見つけた生物に興味津々で、「これなに?」「触ってもいい?」と質問をし、キチヌやベンケイガニなどさまざまな生き物とのふれあいを楽しみました。
お別れ際には、ハットリさんが用意したプレゼントに、大喜びする子どもたちの姿が印象的でした。彼はそれぞれの児童がリクエストした魚のイラストを描き、唯一無二の作品を届けました。子どもたちは自分に特別な魚を手にした瞬間、その眼差しは輝いていました。
プログラムの振り返り
4月からのこのプログラムを通じて、子どもたちは自然環境への理解を深め、海とのつながりを認識するようになりました。「海を綺麗に保ちたい」「魚に興味が出た」との声が上がり、海を守ることの大切さを学びました。また、彼らの視点からは、地域愛が育まれ、将来の自然環境の保護者としての自覚も芽生えてきているようです。
延岡市教育委員会の高森賢一教育長は、「これを機に地域愛を育んでいってほしい」と願いを述べました。子どもたちの海に対する意識と行動が、未来の豊かな海を作るための第一歩となることでしょう。
このように、海洋教育プログラム「海の学校2025」は、ただの学びの場ではなく、子どもたちの心に刻まれる貴重な体験を提供しました。今後も彼らが持つ海の意識が、未来の海を守る力となることでしょう。