コロナ禍における企業のコスト削減実態と課題を探る

コロナの影響により、企業は経営戦略を見直さざるを得なくなっています。中でも、コスト削減の必要性が高まっているという声は、経営者の間で広がっています。ここでは、コロナ禍における企業のコスト削減についての調査結果を基に、実態や課題を詳しく見ていきます。

コスト削減の必要性

最近の調査によると、約8割の企業がコロナ禍において「今まで以上にコスト削減の必要性が高まった」と回答しています。具体的には、32.4％が「非常に高まった」とし、46.4％が「やや高まった」と示しました。しかし、実際にコスト削減施策を「十分に行えている」と答えた企業はわずか13.8％しかなく、施策の実施がいかに難しいかが浮き彫りになっています。

コスト削減が進まない理由

調査において、コスト削減を十分に行えていない理由として最も多く挙げられたのは「社内で不満が生まれないかが心配」で、これには38.7％が同意しました。さらに、長年の取引先との関係からコスト交渉をしにくいという意見もあり、34.6％が回答しました。加えて、業務に忙殺され、手が回らないという状況は33.6％にとっての実情でもあり、社内の意思疎通が妨げられていることも大きな要因と言えるでしょう。

他の声

他にも「社内での話し合いに時間がとれない」との声や、「部局ごとにバラバラにコスト削減を行っており、全体としての統一性がない」といった意見がありました。

コスト削減施策の効果

コスト削減がうまく行えていると回答した企業でも、約5割は目標に達しないか達成できなかったことが明らかとなっています。これは、施策の効果が見えにくいことが影響しているかもしれませんまた、57.3％がコスト削減を外注した経験がなく、その理由として「自分たちで解決できる」という回答が49.5％を占めました。