歴史的な庭園を次世代へ継承するクラウドファンディングの取り組み

重森三玲の秘蔵庭園を再生するプロジェクト

岡山県高梁市に位置する、『驢庵露地東氏庭園』が、作庭家・重森三玲氏の手によって設計されたものであることを知る人は少ないかもしれません。しかし、この庭園は、日本の庭園文化の一端を担う貴重な作品です。今回はこの庭園の再生プロジェクトについて詳しくご紹介します。

プロジェクトの背景

重森三玲氏は、1896年に岡山県で生まれ、1975年に亡くなるまで日本の庭園設計に多大な影響を与えてきた作庭家です。彼が手掛けた庭は、美しい景観だけでなく、精神的な安らぎをもたらす場所として知られ、国内外で高い評価を受けています。その数少ない作品の一つが『驢庵露地東氏庭園』です。

現在、残念ながらこの庭園は荒廃が進み、かつての美しさを保てなくなっています。特に、植物や石材の配置が乱れ、庭の特徴である静謐な美しさが失われつつあります。このままでは、次世代に引き継ぐ文化的価値を損なうことになりかねません。そこで Team roan（チームロアン）が立ち上がりました。

取り組みの内容

本プロジェクトの目的は明確です。庭園の修復と一般公開を通じて、重森氏の作品を次の世代に継承し、地域の文化遺産としての重要性を再評価しようというものです。

具体的な活動は以下の通りです。

- 庭園の修復工事：専門家や職人が協力し、荒廃している庭の構造を丁寧に修復します。植物に関しても、重森氏が意図した配置を復元し、その景観を取り戻します。
- 文化財登録に向けた活動：庭園の歴史的及び文化的な価値を明らかにし、国や自治体に文化財としての登録を目指します。
- 地域活性化への貢献：庭園の魅力を地域住民や観光客に広めるため、一般公開と文化イベントを開催し、地域の活性化に寄与します。