人気日記本『マイブック』が急成長、Z世代を虜にする
『マイブック』の成功秘話
今年で25周年を迎えた『マイブック』が、トーハン調べの2025年上半期ベストセラー文庫総合部門で11位にランクインしました。この異例の成績は、特にZ世代の若者からの熱い支持によるものです。今年の版は増刷を重ね、21年ぶりに12万部を突破しました。
『マイブック』とは何か?
『マイブック』は、手帳や日記、備忘録など多目的に使える「白い文庫本」として登場しました。中身には日付と曜日しか記載されておらず、自由に使い方を工夫できるのが特徴です。そのため、世界に一冊のオリジナルな本として、書きやすい製本が施されています。このスタイルは、多くの著名人にも愛用されてきました。
「日記界隈」の流行
近年、特に注目を集めているのが「日記界隈」です。この言葉は、「日記を書く人々」のコミュニティを指し、SNSを通じて日々の出来事を共有するスタイルが特徴です。昨年9月に発売された『マイブック』は、この流行を受けて爆発的な人気を誇り、全国の書店では在庫が枯渇する事態になりました。特に15〜24歳の若年層女性の読者が前年比で146%増加という結果も示しています。
書籍に込められた価値
『マイブック』の企画・デザインを担当する大貫卓也さんは、初刊行の当時に「アートディレクターとして、多くの人に手に取ってもらえる商品を作りたかった」と語ります。『マイブック』は文庫本と同じような見た目を持ちながら、中身は真っ白で、自分で内容を埋めていくことで完成させる一冊です。「自分の書いたものが文豪と同じ本棚に収まることこそが、この本の価値である」と大貫さんは強調します。
新しい形の日記
Z世代の日記スタイルは、従来の私的なものからSNSで公開するライフログの形へと進化しています。これにより、日記に対する考え方や利用法が大きく変わりつつあります。この新たなスタイルが、『マイブック』の人気をさらに後押ししているのです。近年、特に20〜24歳の購入者は前回と比べ235%も増えました。
未来に向けた展望
『マイブック-2025年の記録-』は、この進化した日記の形を象徴する存在でもあります。今後、どのように多くの人々の手に渡り、愛され続けるのか、ますます注目が集まります。「手書きの日記」というアナログな方法は、デジタルの時代に逆境とも言える中、意味深い価値を持ち続けています。日々の思い出や感情を記録し、形にする手段として、『マイブック』は今後も多くの人に使われていくでしょう。
書籍情報
- - タイトル: マイブック―2025年の記録―
- - 著者名: 大貫卓也
- - 発売日: 2024年9月30日
- - 価格: 473円(税込)
- - ISBN: 978-4-10-120877-0
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