新たな医療文書生成に向けた取り組み
NTTプレシジョンメディシン株式会社と新医療リアルワールドデータ研究機構株式会社、通称PRiME-Rが共同で新しいクラウド型電子カルテ「movacal.hospital」「movacal.net」の機能開発を進めています。このプロジェクトでは、特に大規模言語モデル(LLM)を用いた医療文書の構造化および半自動生成機能に力を入れています。両社は、トライアルに参加する医療機関を募集しており、医療業界における革新を促進することを目指しています。
プロジェクトの背景
PRiME-Rは、令和5年度の戦略的イノベーション創造プログラム、第3期のプロジェクトにおいて「統合型ヘルスケアシステムの構築」をテーマに採択されました。この中で、症例報告や病歴要約を支援するシステムの開発が行われ、退院時サマリや診療情報提供書などの医療文書を半自動で生成することで、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現を図っています。NTTプレシジョンメディシンが提供するモバカルは、この新機能を導入することで、医療現場での社会実装の促進を期待しています。
共同研究開発の具体的な内容
この共同研究開発では、以下の二つの主要な領域に焦点を当てています:
1.
LLMを用いた電子カルテデータの構造化
2.
退院時サマリなどの半自動生成
この二つの開発を通じて、より効果的な医療現場での情報の整理や文書作成を実現し、2025年度には商業的なサービス提供を目指しています。両社の技術力を結集し、医療の質の向上に寄与することを狙っているのです。
トライアルに参加する医療機関の募集
2024年度の中に、本システムのプロトタイピングモデルを用いたトライアルが始まる予定で、200床未満の回復期・慢性期の病院や診療所を対象に参加医療機関の募集を開始しました。興味のある医療機関は、指定の問い合わせ先に連絡することで参加の意向を表明できます。これにより、実際に新しい機能の有効性を評価し、現場のニーズに応じた改善も期待されています。
今後の展望
この共同プロジェクトを通じて、医療コストの削減や業務の効率化を図り、医療従事者の負担を軽減することを目指します。医師の働き方改革にもつながるこの取り組みは、今後の医療業界の発展に大きく寄与するものと考えられています。また、新しい技術が医療現場でどのように活用されるか、今後の進展が期待されます。
この新たな試みが医療の現場にもたらす影響は計り知れず、患者にとっても利便性の向上が期待されることでしょう。