省エネ性能デザインの新たなアプローチ
株式会社one buildingは、建築業界で省エネ性能を設計初期から考慮する「フロントローディング」手法を提案する企業です。これにより、建築物のデザイン段階でのエネルギー効率を最大限に引き出すことを目指しています。今後、2025年から新築建築物に対する省エネ基準の適合義務化が進む中で、デザイン段階からの省エネ性能の検討がますます重要になってきます。
省エネ設計の背景
新築物件への省エネ基準適合は、2025年4月から義務化されることが決まっています。この動きに伴い、省エネ性能が「共通言語」として広がりを見せています。特に建物の外皮性能は、快適性や空調負荷、長期的なランニングコストに直接影響を与える重要な指標です。ところが、実際のデータによれば、建物の性能は用途や地域、規模によって大きく変動してしまいます。
国土技術政策総合研究所の調査によると、建物が大規模になるほど外皮性能が低下する傾向があります。例えば、中規模の建物におけるBPIの平均値は0.69に対して、大規模では0.77、そして超大規模では0.80という結果が示されています。このような数字は、建物の設計が適切でない場合に生じる見えないリスクがあることを意味しています。
課題:BIMの活用現状
建築DXの中心に位置するBIM(Building Information Modeling)ですが、その活用方法はあまり浸透していないという現実があります。BIMを導入した企業の82.7%がその可視化メリットを感じていますが、設計変更に伴うプラス効果を実感している企業は14.2%と限られています。このような中で、BIMの持つデータベースとしての価値を最大限に活かせていない企業が多数存在するのです。
提案:データ駆動型の省エネ設計
そこで、one buildingが提唱する「性能駆動設計」では、設計の初期段階からBIMを用いた性能シミュレーションを行います。これにより、施策の初期段階でエネルギー効率を計算し、手戻りを防ぎつつデザインと性能の両立を図ります。この手法により、設計者が自らの設計が持つ性能を数値で理解し、合理的な意思決定を下すことが可能になるのです。
特に、BIMの情報は壁や窓などの部材がデータを保持しているため、性能計算を迅速に行うことができます。手計算の手間を省き、設計者は性能とデザインの両方に時間をかけられるのです。
セミナーのご案内
この新しい形の省エネ設計についてより深く学びたい方のために、「設計初期から省エネ検討できるBIMモデル作成セミナー」を開催します。日時は2025年8月5日、7日の二日間、オンラインで行います。参加は無料で、事前登録が必要です。
セミナー概要
- Revit編: 2025年8月5日(火) 16:00〜17:00
- Archicad編: 2025年8月7日(木) 16:00〜17:00
- - 講師: 藤田加惟(BIM sustaina for Energy認定コンサルタント)
- - アジェンダ:
- 省エネ性能をデザインする重要性
- ライブデモ:省エネ計算に使える簡易BIMモデル作成
- 質疑応答
この機会にぜひ、新しい省エネ設計の手法を学び、建築業界の未来を切り拓く一歩を踏み出してください。
まとめ
one buildingは、これからの建築設計者全員が省エネに関する知識を持つべきと考えています。テクノロジーによって、その学びを少しでも易しくし、設計者の創造性が最大限に発揮できる未来を目指して取り組んでまいります。