カプコンがFigmaを導入した背景
株式会社カプコンは、1979年に設立されたゲーム製造・販売会社です。コーポレートサイトやゲームタイトル関連のサイト、そして各種キャンペーンサイトなど、幅広いWeb制作を行ってきました。しかし、制作プロセスの効率化は常に課題の一つでした。そんな中、カプコンは"閉じた制作"から"共有する制作"への転換を目指し、コラボレーションツールであるFigmaを導入することを決定しました。
Figmaの導入効果
Figmaを活用することで、カプコンは製作における修正項目の削減が約70%、実作業工数の削減が40〜50%を達成しました。また、公開日程も1〜2週間短縮されるなど、効率化と品質向上を同時に実現しています。カプコンのWebプロダクション室に所属する藤本庸介氏は、「遊文化を創造し、世界中の人々に笑顔や感動を届ける」というビジョンをFigmaを使うことで実現していると述べています。このツールは、リアルタイムでの共同制作やデザイン資産の共有により、ブランド価値を損なうことなく効率化を進めています。
Dev Modeによるワークフローの最適化
特にFigmaの"Dev Mode"の導入がカプコンに大きな効果をもたらしました。この機能により、デザインから直接コードや仕様を確認できるため、エンジニアとのやりとりが大幅に軽減されています。更に、バリアブル機能を駆使して多言語展開やUIの変更をデザイナー自体が行える仕組みを整え、開発依存度を低減させました。これにより、制作フロー全体のスピードが向上しています。
デザインシステムの構築
カプコンは横断的なデザインシステムの構築も進めており、2026年3月の完成を目標としています。すでにプロジェクト単位でスタイルガイドやひな形を導入しており、資産の再利用を進めています。この取り組みにより、制作の効率化や合意形成の迅速化、また公開スケジュールの短縮を実現しています。今後、これらのシステムはコーポレートサイトに留まらず、タイトルサイトや社内資料にも展開される予定です。ただし、各タイトル固有の世界観を損なわない設計が求められるため、柔軟なコンポーネント化が重要となります。
未来の展望
Figmaの活用範囲はWeb制作にとどまらず、今後はタイトル開発部門とも早期から目的や体験価値を共有し、"依頼に応える"から"共に創る"関係へと進化を加速していく方針です。このように、カプコンとFigmaの取り組みがもたらすイノベーションは、業界内でも大きな関心を集めています。さらに詳しく知りたい方は、以下のリンクから特集記事をご覧ください。
まとめ
Figmaを活用することで、カプコンは制作体制の効率化を達成し、ゲーム業界におけるさらなる革新の道を歩んでいます。今後もその取り組みには目が離せません。