京都芸術大学生がR-18文学賞大賞受賞
京都芸術大学の大学院に在籍する上村裕香さんのデビュー作『救われてんじゃねえよ』が、4月16日に新潮社から刊行されます。この作品は、第21回「女による女のためのR-18文学賞」の大賞を受賞しており、受賞式では選考委員から称賛の声が寄せられました。
物語の主人公である17歳の沙智は、難病の母親を介護しながら高校生活を送っています。彼女が言うには、「私の不幸自慢の戦闘力は結構高い」とのこと。その独特な視点から描かれる彼女の生活や感情は、読者に深く響くことでしょう。サブタイトルとも言える「救われてんじゃねえよ」という言葉からは、厳しい現実とそれに向き合う精神が伺えます。
上村裕香さんの創作背景
上村裕香さんは、18歳の時に文芸創作が学べる大学に出会ったことがきっかけで、作家を志すようになりました。京都での一人暮らしを始め、切磋琢磨する友人や恩師たちとの交流を通じて、創作の根っこを育ててきました。大学院進学後も、文芸表現学科での充実した日々は彼女を支えており、大学3年生の春に受賞したR-18文学賞は大きな転機となりました。
「デビューすることに焦りはあるが、それ以上に書くことの楽しさを感じている」と彼女は語ります。その代表作に対する不安と期待が入り混じる中、彼女は自信を持って作品を世に問う準備をしています。特に高校生が抱える心の葛藤や家族の苦悩と向き合う姿は、多くの読者に共感を呼ぶことでしょう。
京都芸術大学の文芸表現学科
上村さんを輩出した京都芸術大学の文芸表現学科は、「クリエイティブ・ライティングコース」として知られています。このコースでは、創作指導を超え、文芸表現を社会で活かすことに重点を置いた実践的なカリキュラムが展開されています。小説家や脚本家、ライターとして活躍する力を育むことが目指されており、多くの著名な作家も輩出しています。
このコースにおいては、基礎から応用までの幅広い知識が提供され、学生たちは社会に出たときに役立つスキルを身に付けられるように努力しています。具体的には、学生が実際に企業や自治体の課題をアートやデザインの力で解決するプロジェクトに取り組む機会も用意されており、年間100件以上の社会実装プロジェクトが実施されています。
まとめ
上村裕香さんのデビュー作『救われてんじゃねえよ』は、彼女自身の成長過程や創作への情熱をうかがわせる作品となっています。今後の活動やさらなる成長が期待される中、ぜひこの作品を手に取って、彼女の世界観に触れてみてはいかがでしょうか。書店での出会いを楽しみにしています!