「Dance Speaks 2024」- ヴィジョン溢れるダンスの饗宴
国内外の優れた振付家たちが集結し、激動のダンスシーンを彩る「Dance Speaks 2024」が、彩の国さいたま芸術劇場で9月に開催されます。この公演では、ピナ・バウシュの師として名高いクルト・ヨースによる不朽の名作「緑のテーブル」を含む、注目の3作品が上演されます。
世界的名作と初演の融合
今回の公演は、「ニューヨーク・シティ・バレエ」の創設者でアメリカンバレエを築いた巨匠ジョージ・バランシンの振付による「ワルプルギスの夜」、スペイン出身の振付家カィェターノ・ソトによる「Malasangre」、そして日本人として初めて欧州の劇場で芸術監督を務める森優貴の新作「Traum -夢の中の夢-」という、まさに多彩なプログラムです。
特に注目すべきは森優貴による「Traum -夢の中の夢-」です。この作品は、アメリカ文学の巨匠エドガー・アラン・ポーの詩「A Dream Within a Dream」にインスパイアされたもので、彼の視点から夢と現実の狭間を描く新たな試みです。34歳という若さでドイツの歌劇場で芸術監督を任されるなど、その手腕はすでに高く評価されています。
森優貴の新作「Traum -夢の中の夢-」
今回の「Traum」では、ポーの生涯を交えた詩の持つシリアスさを舞台上に映し出す試みが注目されています。彼の作品は、期待されるストーリーやビジュアル表現において新しい境地を開き、多くの観客を魅了することでしょう。衣裳デザインも、京都のデザイナー鷲尾華子が手掛けており、彼女の独特の美意識が舞台をさらに引き立ています。
バランシンの歴史的作品
さらに、ジョージ・バランシンが1975年に振り付けた「ワルプルギスの夜」は、クラシックバレエの名作として多くのファンに愛されています。この作品は、パリ・オペラ座によるオペラ「ファウスト」に由来し、その後独立したバレエ作品として伝えられています。24名の女性ダンサーが生み出す美しいグラデーションと、華麗な群舞は見る者を圧倒します。
カィェターノ・ソトのエネルギッシュな「Malasangre」
一方、カィェターノ・ソトが振り付けた「Malasangre」は、キューバの歌手ラ・ルーペに捧げられた作品です。タイトルの意味は“悪い血”。ソトの作品は、先入観や偏見と戦った彼女の生涯にフォーカスし、ラテン音楽とダンスの熱情を呼び起こします。観ることで、ラ・ルーペの壮絶な人生とその影響を理解できることでしょう。
公演の詳細情報
このように、3作品それぞれが異なるテーマやスタイルを持ちながら、ダンスが語る力強さを感じることができる貴重な公演です。「Dance Speaks 2024」は、9月22日・23日の2日間にわたり、彩の国さいたま芸術劇場の大ホールで行われます。チケットはS席からU25チケットまで多様なプランが用意されています。
公式サイトではチケット情報や詳細が確認できるので、ぜひ早めにチェックしてください。さまざまな視点から、ダンスの新たな魅力を発見する機会をお見逃しなく。