老化細胞がメラニンを吸収するメカニズムを解明したナリス化粧品の新技術

老化細胞がメラニンを掃除する？？

株式会社ナリス化粧品は、肌のシミ問題の原因を新たな視点から解明しました。近年、多くの人々が悩んでいるシミ、特に「老人性色素斑」は、年齢と共にその存在感を増し、自然には消えません。このシミの改善に関する従来の研究は、メラニンを生成する「メラノサイト」に主に注目していました。しかし、この研究により、老化細胞である「ケラチノサイト」がメラニンを蓄積することが明らかになりました。

背景と新たな発見

これまでのシミ改善策では、メラノサイトの数やその活性を抑える方法が提案されてきましたが、ナリス化粧品の研究者たちは、電子顕微鏡を使用して、シミができる部位の基底層にメラニンが多く存在するケラチノサイトに注目しました。この発見を経て、ナリス化粧品は、時間が経過する中でケラチノサイトがメラニンを効果的に取り込む様子を観察し、まるで掃除機のようにメラニンを吸収していることを確認しました。

この現象を引き起こす要因として、老化ケラチノサイトにおける特定の受容体、PAR-2の発現量の増加が関与している可能性があります。このことから、シミが長期にわたって皮膚内に留まるのは、老化ケラチノサイトがメラニンを積極的に取り込む能力や、老化細胞が組織から排除されにくい特性が影響していると推測されています。

新アプローチの開発

この新たな知見に基づき、ナリス化粧品は、老化細胞を除去する効果的な化粧品成分の探索を進めました。その結果、ツル科植物から抽出された「金銀花エキス」が、老化ケラチノサイトを選択的に除去する力を持つことが分かりました。この成分は、皮膚内のメラニン蓄積を解消し、シミ改善の可能性を秘めています。今後、この金銀花エキスを使用した商品が登場することでしょう。

学会での発表

ナリス化粧品の研究成果は、2025年9月にフランス・カンヌで行われる化粧品技術者の国際学会、IFSCC Congress 2025にて発表されます。この学会は、最新の研究成果が発表され議論される場として、多くの化粧品技術者にとって重要なイベントです。ナリス化粧品の研究者、山﨑浩子は、「メラニンを掃除機のように吸い込む」老化ケラチノサイトをテーマに発表を行います。