アッヴィ、リサンキズマブの小児向け用法を申請
アッヴィ合同会社(本社:東京都港区)は、リサンキズマブ(遺伝子組み換え)について、既存治療の効果が不十分な乾癬に悩む小児患者を対象に、小児の用法・用量を追加承認する申請を行いました。リサンキズマブは、IL-23を選択的に阻害する生物学的製剤で、これまでに日本において乾癬に関連した7つの適応症を持つ治療薬として承認されています。
乾癬とその影響
乾癬は、慢性的な炎症性皮膚疾患であり、患者は銀白色の鱗屑を持つ赤い発疹が全身に広がる症状に苦しんでいます。国内には約43万人の患者が存在し、特に小児においてもその数は無視できません。0~9歳では0.8%、10~19歳では1.8%の割合で発症するとされています。この病気の影響は、身体的な症状だけでなく、外見の変化に伴う社会的な負担を伴い、学業や社会生活に大きな影響を与える可能性があります。
また、小児の乾癬には肥満や高脂血症などの合併症が伴うことが多く、うつ病や不安障害との関連も報告されています。こうした精神的な影響も考慮すると、小児における乾癬の管理は非常に重要です。
小児乾癬の治療現状
最近の動向として、成人患者向けには様々な治療オプションが増えている一方、小児患者向けには治療ガイドラインが存在せず、選択肢は限定的です。症状が長期化する小児期に発症した乾癬は、成人期までの継続的な治療が求められています。
今回の申請は、中等症から重症の小児寻常性乾癬患者を対象にした国際共同第3相試験(M19-977試験、M19-973試験)の結果に基づいています。リサンキズマブの新たな適応が追加されることにより、乾癬患者への治療の幅が広がることが期待されています。
リサンキズマブについて
リサンキズマブは、IL-23のp19サブユニットに結合し、選択的にIL-23を阻害することで作用します。IL-23は乾癬などの免疫に関連した炎症性疾患に深く関与するサイトカインで、その阻害は治療効果をもたらします。アッヴィは、ベーリンガーインゲルハイム社との提携を通じて、この治療薬を開発しています。
アッヴィのビジョン
アッヴィは、患者のニーズに応える革新的な医薬品の開発に取り組んでおり、免疫疾患をはじめとした様々な健康課題を解決することを目指しています。日本市場では、免疫疾患、肝疾患、精神・神経疾患、がん、アイケアなどの分野に注力し、幅広い製品群を提供しています。
今後、小児患者に対する新たな治療法としてリサンキズマブが承認されれば、乾癬に悩む多くの子どもたちにとって、新たな希望となることが期待されています。
詳細については、アッヴィの公式ウェブサイト
www.abbvie.co.jp をご覧ください。