看護師の新しい働き方を提案する株式会社ARIAの挑戦とビジョン

株式会社ARIAの挑戦

医療業界には長い間、年功序列に基づく人事制度と厳しい労働環境が存在していました。それを打破するべく、株式会社ARIAは「笑顔あふれる自分らしい人生を」というビジョンを持ち、新たな働き方と人事評価制度を構築しています。運営する『NewGate訪問看護ステーション』において、看護師やセラピストが自己実現できる環境を提供しようとしています。

新たな人事評価制度の導入

NewGateでは、看護師の90%以上が病院勤務から転職。転職者たちは「給与が安すぎる」、「将来のキャリアに不安がある」、「仕事にやりがいを感じられない」といった理由で不満を抱いていました。代表の宮崎大輔氏は、大学病院での勤務を経て、看護師の理想の職場を作ることを決意しました。

このような背景から、ARIAは従業員の頑張りに応じて公平に評価される人事制度を設計。同社は評価項目や給与テーブルを開示し、従業員が自身のキャリアパスを選択できる機会を提供しています。これにより、モチベーションが高まる職場環境が整備されました。2024年には、24名の昇給と13名の昇進が実現しました。

AI活用による業務効率の向上

訪問看護の現場では、日常的な記録業務が看護師にとって大きな負担です。特に、様々な業務をこなすNewGateではこの問題が顕著でした。そこで、AI技術を活用した業務効率化を試み、AI文字起こしツール『Notta』と『ChatGPT』を使用して業務負担を軽減しました。結果的に、平均15分かかっていた記録業務が5分に、報告書作成業務も同様に短縮されました。

この施策により、看護師やセラピストはクライアントへの支援に集中する時間が増加し、業務の質が向上しました。また、看護師資格を持たない事務スタッフを採用し、全ての記録業務を完全在宅で行う「記録部署」を新設する予定です。