DTCCの新提案
2016-02-15 11:03:03
DTCCが呼びかける金融システムの新たな挑戦と分散型台帳技術の可能性
DTCCが新たに提案する金融業界の未来
DTCC(米国証券保管振替機構)は、業界全体に向けて分散型台帳技術の活用を求めるホワイトペーパーを発表しました。この文書は、長年にわたる金融システムの課題を解決するための機会を提示しています。DTCCの社長兼CEO、マイケル・ボドソン氏は、金融産業が大きな変革の時を迎えていると述べ、業界の協力が必要だと強調しました。
現状の課題と分散型台帳技術
発表されたホワイトペーパーは、金融市場のインフラが依然としてサイロ化している現状を指摘し、複雑さを軽減するための新しいアプローチを提案しています。金融システムは安定性を提供する一方で、その構造の複雑さにより、迅速な処理が困難であることが問題視されています。ここで、分散型台帳技術が必要とされる理由です。これにより、信頼できる当事者間での安全な取引が可能になり、ポストトレード処理の効率を大幅に向上させられると期待されています。
DTCCは、自動化が進んでいない領域や限られた分野においても、この新技術が問題解決に寄与する可能性を示唆しています。特に、マスターデータの管理や証券の発行、約定の確認など、さまざまなプロセスの見直しが求められています。
産業全体の連携の重要性
ホワイトペーパーでは、業界全体が協調を図らなければ、過去の失敗を繰り返すリスクがあると警告しています。最も効果的なアプローチは、既存の規制の下で信頼されている中央機関が、分散型台帳の実装をサポートする基準やガバナンスを確立することだとされています。ボドソン社長は、独自のアプローチが新たな問題を生む可能性があることにも言及しました。
DTCCの役割と取り組み
DTCCは、分散型台帳技術を用いた新しい金融システムのロードマップ作成にあたり、同時にデジタルアセットホールディングス社への出資を行いました。これにより、業界内での連携を強化し、分散型台帳技術の原則的な導入をサポートする立場にあります。また、Linux FoundationのHyperledgerプロジェクトとも協力し、ブロックチェーン技術の推進にも力を入れています。
DTCCは、金融市場での約40年にわたる経験を基に、新技術の導入をリードする立場にあると自負しています。これを通じて、業界の課題を解決するための効率的な方法を模索し続けています。
未来への展望
このように、DTCCのホワイトペーパーは分散型台帳技術が金融システムに与える影響と、業界の協力が求められる重要な局面を浮き彫りにしています。金融市場の改革が進む中、DTCCの提案が今後の動向にどのような影響を与えるか注目が集まります。
詳細については、DTCCの公式サイトをチェックしてください。
会社情報
- 会社名
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DTCC
- 住所
- 55 Water Street New York City, United States
- 電話番号
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