雪国の生活を変える新路面プロジェクト
寒冷地域の人々が毎年悩まされる雪の問題を解決するため、東京都千代田区の有志団体「Surface Builder」が新しい路面インフラの開発に乗り出しました。このプロジェクトでは、雪が積もらず、歩行者の安全を守る「ステップ&フラット」と呼ばれる新しい路面の構造を提案しています。
プロジェクトの目的
「Surface Builder」は、工学、通信、広告など多様な業界の若手メンバーによって構成されています。彼らは共同で、雪国における交通渋滞や歩行環境の改善を目指し、暮らしの中で年に一度でも除雪に要する時間を短縮することを志しています。これにより、雪国での生活をより快適にし、交通の円滑化を図ることが狙いです。
「ステップ&フラット」の独自性
現在開発中の「ステップ&フラット」は、降雪時に雪が路面の隙間から下に透過し、路面上には積もらない構造になっています。また、歩行者が通る際には重みを利用して周囲がフラットになるため、つまずく心配がありません。この革新的なデザインは既に小型模型でその効果が確認され、特許の登録・出願もされています。
雪国におけるメリット
従来の除雪方法には、消雪パイプや凍結防止剤、除雪機、ロードヒーティングがありますが、これらは高コストで労力を要するため、高齢者の除雪事故を引き起こす危険性もあります。一方で、「ステップ&フラット」の導入により:
- - 除雪にかかる労力や人手が不要となり、高齢者の除雪事故を防ぐことが可能です。
- - 雪捨て場の必要がなくなり、余分なスペースを使うことなく管理ができます。
- - 電気や熱などのエネルギーを必要としないため、持続可能な環境インフラの構築が期待されます。
事業化に向けた取り組み
この新しい路面の導入先として検討されているのは、個人の住宅、店舗の駐車場、歩道、サービスエリア、バス停、スキー場、さらにはイベント会場など多岐にわたります。今後は、雪国の事業者やエンドユーザーとの現地調査を実施し、具体的な事業化に向けた議論を進める計画です。
特に、安全性、安心感、快適性は、利用者の使用状況や発生しうるトラブルを予測した上で、FMEA(故障モード解析)を通じてリスクアセスメントを行なっています。このプロセスを通して、必要な検証を進める予定です。
クラウドファンディングの開始
さらに、この新路面の実機開発を加速するため、2021年4月よりクラウドファンディングを始めることが決定しました。支援を受けた際には、活動報告を通じてその成果をお知らせする計画です。
クラウドファンディングの情報は以下で確認できます: Wonder FRY ANA
終わりに
「Surface Builder」は2019年に東京で行われた「TOKYO STARTUP GATEWAY」でファイナリストとして選出された実績も持つ団体です。彼らのホームページは
こちらで確認できます。新しい雪国の生活を実現するために、今後の活動から目が離せません。