自治体DX推進協議会が描く公共DXの未来
一般社団法人自治体DX推進協議会(GDX)が制作した会報誌『自治体DXガイド Vol.8』が登場しました。本号の特集は「官民協働、次のステージへ 公共DXの新潮流」。このテーマでは、自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX)の重要性とその進化の過程について詳しく解説しています。
公共DXと官民協働の新しい形
自治体のDX推進には、民間企業との連携が不可欠です。これまでは、民間に業務を委託するスタイルが主流でしたが、最近では自治体と民間が「共に創り、運営する」という新しいモデルが増えてきています。この変化は、地域の複雑な課題に向き合うための持続可能な行政サービスのために必要不可欠なものです。
新たな協働モデルを実現するためには、自治体がリーダーシップを発揮し、民間企業のスピード感や専門知識を引き出す必要があります。この特集では、そのための具体的な施策や事例を多数取り上げています。
特集の内容
特集では、デジタル庁が推進する「デジタルマーケットプレイス(DMP)」の進捗状況や、先進的な自治体による実証プロジェクトの事例などが紹介されています。
1. デジタルマーケットプレイス(DMP)の機能
デジタル庁は、IT調達を効率化するためのプラットフォームであるDMPを設立しました。従来の調達プロセスの煩雑さを解消し、290社以上の事業者が登録するまでに成長しています。特に中小企業やスタートアップの参加が増えており、さまざまな新しいサービスの提供が進んでいます。
2. 担当者の言葉
「このDMPを通じて、我々は調達実務に即した機能を持ちつつ、場の提供を行いたいと考えています。自治体が直面する課題は多岐にわたりますが、DMPがその一助となることを目指しています」と、デジタル庁の担当者は語ります。
3. 地域人材の活用
また、地域の人々が持つスキルを生かし、業務の内製化を促進することも重要です。Claris International社の「Claris FileMaker」による内製化の取り組みが紹介され、広島市ではこれを用いた成功事例が報告されています。これにより、従来の業務が効率化され、地域の課題に即した解決策が進められています。
4. 官民連携による稼ぐ力の育成
さらに、茨城県境町の官民出資型公社モデルの成功事例も取り上げられています。地域が自主的に「稼ぐ力」を育成するために、官民が共同で出資し、持続可能な地域社会の形成を目指しています。
今後の展望
特集では、これらの取り組みを通じて、公共DXが地域社会に何をもたらすのかを考察しています。これからは自治体がリーダーとなり、様々な民間企業と連携しながら、地域課題に対応していくことが求められています。
本誌は全国の自治体のDX担当者や官民連携担当者に配布され、今後の公共DXの道筋を示す重要な一冊です。地域の革新を支える一助となることを期待しています。