文学座とキャラメルボックスが贈る、舞台『賢治島探検記 2026』の魅力
日本の演劇界を代表する文学座と演劇集団キャラメルボックスが、初のコラボレーションを実現。2026年1月には宮沢賢治の名作『賢治島探検記』が新たな演出で再上演されます。演出を担うのは文学座の西本由香氏、そして本作に出演する石橋徹郎(文学座)と多田直人(キャラメルボックス)に話を聞くことで、この貴重な舞台の魅力に迫りました。
名作誕生の背景と期待感
西本氏は「この作品は、劇場がなくても、いつでもどこでも上演できる」というコンセプトで生まれたため、普段とは異なる環境でも楽しめるという特性を持ちます。キャラメルボックスの成井豊氏が描いたこの作品は、2002年に初演されて以来、さまざまな形で進化を遂げてきました。2026年は宮沢賢治の生誕130年を祝う年であり、再演の意義がさらに深まります。
多田さんは今回、石橋さんを通じて文学座の魅力を感じたことを述べ、自身が文学座の空気を実際に体験できることを楽しみにしています。一方、石橋さんは「キャラメルと文学座は反対色で、補色のような関係だと思うので、今回のコラボレーションが面白い色合いを生むことに期待しています」と語ります。
座組みの信頼と期待
演出家としての西本氏の印象は、プロデューサーとの信頼関係に現れています。「作品の内部に密に込めたエネルギーを突き破り、俳優の個々の存在感を際立たせる作品を作りたい」との思いが強く表れています。また、石橋さんから見る西本さんは「語り合える人」と表現され、演劇におけるコミュニケーションの大切さが強調されます。
お互いの俳優感と舞台上の存在
多田さんは、石橋さんとの共演が多い中で感じた彼の「ライブ感」や、「舞台の上で生きている」ということの難しさについて語ります。石橋さんは、互いに共演を重ねてきたことで感じた信頼を強調します。
西本さんも二人の印象を語り、「多田さんは純度が高く、石橋さんはロマンチスト」と個々の特性を称賛しています。これらの意見から、俳優同士の信頼関係とお互いの理解が深まっていることが伺えます。
賢治の世界との融合
今回の作品では、宮沢賢治の童話をテーマにしたセリフと、成井豊の独特な文体とのバランスが絶妙に調和しています。多田さんは、成井氏の独自性とその価値を認識しながらも、西本氏の演出によって新しい可能性が見込まれると期待しています。石橋さんは、台本の感動の高さを評価し、暗い部分をリアルに表現することが参加者に希望を示すことになると述べます。
公演情報と期待感
本公演は2026年1月7日から18日まで、新国立劇場小劇場にて行われます。役者たちの演技により、観客と一体となる体験が提供されることが期待されます。チケットは好評発売中で、S席やA席など、観劇しやすい価格帯が設定されています。
最後に…
西本さんは、「観客には厳しい世界と同時に存在している喜びを感じてほしい」とメッセージを送り、観劇に対する期待を高めます。多田さんも「このコラボは、実際に体験する価値がある」と語り、石橋さんは「必ず素晴らしい結果になる」と自信を持っています。視覚的にも、感情的にも刺激的な舞台が展開されることでしょう。ぜひ、劇場でその目で確かめてください。