中小企業の賃上げ実施状況とその課題についての調査結果

地域に力を注ぐ中小企業の賃上げ実態

中小企業の賃上げに関する調査が行われ、その結果が注目を集めています。フォーバル GDXリサーチ研究所が2025年度第2回として実施した「中小企業経営実態調査」がその詳細です。調査の結果、賃上げに取り組む企業とその背景、さらには賃上げの効果についての実態が浮き彫りとなりました。

調査背景と目的

日本経済は、賃金の増加が消費の活性化を促すとされ、特に中小企業の賃金上昇は重要視されています。政府の賃上げ促進政策や支援策が多く実施されている中、企業実態を把握するための調査が必要不可欠と判断されたのです。

調査結果の概要

調査結果によれば、賃上げを実施していない企業が約3割に及ぶことが判明しました。また、賃上げを行っていない理由として「売上や利益が伸びていないため」との回答が最も多く、中小企業の厳しい経営状況が反映されています。

賃上げの実施状況

調査を通じて、中小企業の賃上げ実施状況は次のように明確になりました。2025年1月以降に賃上げを実施している企業は約15.4%、すでに以前から賃上げを行っていた企業は50.9%という結果でした。これは前年の調査結果と比較しても、賃上げを行っている企業は増加傾向にあるものの、未だ約33.7%の企業が賃上げできていない現状を示しています。

売上や利益の影響

賃上げの実施をためらう中小企業が多い理由は、やはり経営基盤そのものに関連しています。「売上や利益が伸びていない」という回答が約4割を占める中、賃上げを実施した企業の多くは、より良いサービスや製品の提供など、売上・利益向上に繋がる取り組みを行っていることがわかったのです。賃上げが業績に好影響を与えるとの認識が重要とされるようです。