FLEET PITLOCKがオートバックスセブンの出資を受け、新システム開発へ
三菱商事エネルギーの子会社であるFLEET PITLOCK株式会社(FPL)は、オートバックスセブンからの出資を受け、整備業界の課題解決を目指す新たなシステム開発を進めます。これにより、自動車整備業界の効率化を図り、整備士不足という長年の問題に取り組むべく、共通利用できるプラットフォーム「FLEET PITLOCKシステム」を導入することで業務の効率化を実現します。
整備士不足の現状とFLEET PITLOCKの取り組み
日本全体で人手不足が続く中、自動車整備士の平均年齢は上昇の一途をたどっています。この現状は専門知識を必要とする整備工場のバックオフィス人材にも影響を及ぼし、実際に自動車整備業界は構造的な人員不足を抱えています。
2024年のリース車両は新車登録台数の17.2%を占め、その多くは法人リースとして増加しています。法人所有車両は、年に数回の点検や整備が求められ、整備機会は通常の個人車両と比べて高い人気を誇ります。しかし、整備工場は最大30社程度のリース事業者と取引し、それぞれ異なるシステムや条件に対応する必要があるため多くの事務作業に時間が割かれています。これにより、本来の整備作業に充てる時間が圧迫されており、事務作業の負担軽減が喫緊の課題となっています。
この課題に対し、FLEET PITLOCKは複数のリース会社と共同で「FLEET PITLOCKシステム」の開発を進め、整備工場が整備作業に集中できる環境づくりを目指しています。このシステムは、バックオフィス業務の標準化・一元化を行い、整備効率を高めることを目的としています。
「FLEET PITLOCKシステム」の主な機能
FLEET PITLOCKシステムの主機能は以下の4つです:
1. 各リース会社のメンテナンス依頼データを集約し、一元で閲覧・管理できる機能。
2. メンテナンス対象月の車両を容易に検索できる機能。自動でWeb予約の案内メールも発信。
3. 整備基幹システムとのデータ連携機能。
4. リース会社へのメンテナンス報告と請求情報を一元化する請求機能。
これらの機能により、整備工場は事務作業から解放され、効率的にメンテナンス作業に注力できます。2023年10月には請求一元化機能のリリースを控えており、11月から本格的な普及活動を予定しています。
今後の展開と業界全体の連携
今後は、オートバックスセブンの支援を受け、システムの導入・普及を加速していく考えです。業界を超えた非効率解消を目指し、整備士が限られた業務を効率よくこなせる体制を構築していきます。また、複数の業界大手が共に連携することにより、持続可能な整備体制の確立を目指します。
自動車整備業界の業務効率化は、業界全体が抱える課題です。オートバックスセブンとFLEET PITLOCKが協力することで、より良い解決策を提供することが期待されています。今後の展開に注目が集まります。