環境技術を先導する巴川コーポレーション
株式会社巴川コーポレーション(以下、TOMOEGAWA)は、東京都中央区に本社を構える企業で、環境に優しい技術の開発に取り組んでいます。最近、同社の「フレキシブル面状ヒーター」と「グリーンチップ CMF」が、環境省の令和7年度環境技術実証(ETV)事業の実証対象技術に選出され、注目を集めています。
環境技術実証(ETV)事業とは?
環境技術実証(ETV)事業は、既に商業化されている環境技術の効果を第三者が客観的に評価する仕組みです。これにより、技術のユーザーは、異なる技術間での環境保全効果を簡単に比較しながら、最適な選択を行うことが可能です。これは、環境技術の普及を促進することによって、環境保全と環境産業の健全な発展を目指しています。
巴川コーポレーションの選定技術
TOMOEGAWAの2つの技術は、厳格な審査を経て以下のように選ばれました。
➀ 「フレキシブル面状ヒーター iCas MHE」
➁ 「グリーンチップ CMF」
これらの技術は、それぞれ気候変動対策技術と資源循環技術の領域での優秀性が認められ、環境省からの承認を得たことになります。
フレキシブル面状ヒーター iCas MHE
「フレキシブル面状ヒーター iCas MHE」は、TOMOEGAWA独自のステンレス繊維シートを用いた革新的な加熱装置です。このヒーターは、被加熱体に密着する設計が特徴で、熱のムラが少なく、効率的に加熱が可能です。半導体製造装置や様々な工場の設備の配管、曲面部、狭い場所での利用が期待されており、今後はその省エネ効果についても実証される予定です。
グリーンチップ CMF
次に「グリーンチップ CMF」ですが、これはポリプロピレン樹脂(PP樹脂)に木材由来のセルロースファイバーを高配合した複合樹脂です。この材質は、石油由来の樹脂の使用を削減する効果があり、特に食品関連の器具やカトラリー、建材、家電部品、自動車部品など、幅広い用途での使用が期待されています。実証機関でリサイクル性能についても評価される計画です。
今後の展望と期待
環境技術の熟成と実証を通じて、TOMOEGAWAは今後、さらなる技術開発と環境保全の貢献を目指しています。また、この環境技術実証事業には、多くの関係企業や研究機関が参加しており、環境に配慮した製品の市場への導入が一層加速することが期待されています。
TOMOEGAWAの取り組みが成功すれば、より持続可能な社会の実現に向けた道筋が開かれ、業界全体に良い影響を与えるでしょう。環境技術の進化を見守りながら、私たちも日々の生活の中で意識的に環境に優しい選択をしていくことが求められています。