青山商事が発表したリサイクルニット『ウエアシフトニット』の魅力を探る

リサイクルの未来を彩る「ウエアシフトニット」

青山商事が新たに打ち出したリサイクルニット『ウエアシフトニット』は、サステナブルなファッションの新たな一歩を象徴しています。広島県福山市に本社を構える同社が発表したこの製品は、不要になったスーツから再生されたウールを使用し、環境への配慮とデザイン性を両立させたアイテムです。これにより、使用済みの衣類が新たな価値を生む過程が実現されました。

循環型ファッションへの取り組み

この取り組みは、青山商事が2013年から進めている「WEAR SHiFT」プロジェクトの一環として位置づけられています。「終わらない服をつくろう。」というテーマのもと、同社は不要衣類を回収し、そこから新しい製品を生み出すサステナブルなサイクルを構築しています。2023年10月からは、全国主要店舗に設置された『リサイクリングボックス』を通じて、顧客からの不要衣類を募っています。

店頭で回収されたウール100％のスーツがこのプロジェクト内で再利用され、11月には「ウエアシフトスーツ」が誕生。さらにこの取り組みは『ウエアシフトニット』へと拡大し、ビジネスシーンだけでなく日常のさまざまなシーンにも適したオールラウンドなアイテムが誕生しました。

尾州地区の職人技が光るウール

『ウエアシフトニット』に使用されているウールは、日本最大の毛織物産地である尾州地区から集められたもの。不要になった衣類や裁断くずを仕分け、職人たちの手によって紡績されています。このような工芸的な工程を経て生まれるリサイクルウールは、従来のものに比べて独特のチクチク感が抑えられ、肌触りの良い仕上がりとなっています。

リサイクルウールは耐久性も兼ね揃えており、ナイロンとの混合によって強度と柔らかさを融合した糸に仕上げられています。これにより、デイリーユースにも適した、快適な着心地を実現。環境への配慮を感じながらも、使用するのが楽しみになるアイテムへと生まれ変わっています。

スタイリッシュかつ機能的なデザイン

デザインにおいては、リラックス感のあるクルーネックとカーディガンの2スタイルが用意されています。肩の位置を通常よりドロップさせたデザインは、トレンド感も兼ね備えつつ、軽やかな印象を与えます。ミドルゲージの生地は適度な厚みがあり、一枚での着用も可能ですが、シャツやインナーとの重ね着にも最適。

さらに色展開もネイビーとライトグレーといった落ち着いた色味で、カジュアルからビジネスまで幅広いコーディネートに対応します。このように、多様なシーンに合わせて活用できるのが、『ウエアシフトニット』の大きな魅力です。

まとめ：未来のファッションに向かって

青山商事の商品部の担当者である谷本つくし氏は、今回のニットを通じて、顧客とのエコ活動が実を結んでいることに喜びを感じていると述べています。「日常に溶け込むアイテムとして、多くの方に手に取っていただきたい」とのこと。今後もさらなるサステナブルな商品開発を進めていく意向を示しています。

『ウエアシフトニット』はファッションだけでなく、環境への配慮も考えられた新しい選択肢です。リサイクルが新たな価値を創造する時代、ぜひその目で確かめてみてはいかがでしょうか。