高槻市立第三中学校区が全国初の「安全協働学区」に選定
令和7年2月27日、高槻市立第三中学校区が国立大学法人大阪教育大学学校安全推進センターによる新しい取組である「安全協働学区」の初事例として選ばれ、協定を結びました。この取り組みは、学校や地域、保護者、そして関係機関が連携し、学校安全を推進することを目的としています。
この「安全協働学区」の創設の背景には、大阪教育大学付属池田小学校における事件を契機に、学校安全が重要視されるようになった歴史があります。平成13年に発生した悲劇は、日本全国の教育現場における安全対策の必要性を如実に示しました。
その後、学校安全推進センターは平成26年度にSPS認証制度を制定し、学校の安全性向上のための具体的な基準を設けました。この基準は、組織的かつ持続的に学校安全を実施するための条件を整えることに特化しています。現在では、SPS認証を受けた学校を中心に更なる安全対策の強化が図られています。
また、大阪府内では、平成30年に発生した北部地震の教訓を受けて、教育委員会がSPS認証取得の強化を進めました。令和2年度に寿栄小学校が、続いて令和4年度には第三中学校や他の小学校が認証を獲得し、現在では第三中学校区内のすべての学校が認証校となりました。これにより、地域全体での学校安全に対する意識が高まり、実践的な避難訓練や安全対策が他の学校にも共有されています。
今回の「安全協働学区協定」の締結は、これらの取り組みが評価された結果です。この協定により、高槻市立第三中学校区は全国のモデルケースとして位置づけられ、今後はその知見を地域全体に広めることが期待されています。協定の締結によって、学校単位での活動が中学校区全体で展開され、様々な課題解決に向けた共同作業が始まるのです。
調印式では、教育長の西田誠氏がこの協定の重要性を強調し、学校安全の取り組みを一層普及・発展させることを誓いました。さらに、学校安全推進センターの藤田大輔氏も、全国初の協定締結を喜ばしく思い、今後の取り組みへの意欲を示しました。最後に、第3中学校の岡田由紀校長は、地域全体での連携を重要視し、持続可能な安全な学校づくりへの決意を新たにしました。
この協定の内容には、セーフティプロモーションスクール活動を基礎とした学校安全の取り組みの推進、コミュニティ・スクールを活用した協働的な学校安全の活動、成果の共有と発信が含まれています。今後はこの取り組みが高槻市全体の学校安全に寄与し、他の地域でも類似の活動が展開されることが見込まれています。
高槻市が選ばれたことは、学校や地域社会における協働の重要性を再認識させるものです。それは単なる学校の安全を超え、地域全体の安全安心な暮らしの実現へと繋がっていくでしょう。今後の展開に大いに期待が寄せられます。