2025年冬、渋谷で開催されるウェグナー展
北欧デンマークの家具デザインの巨匠、ハンス・ウェグナー(1914-2007年)の魅力を400脚以上の椅子から学ぶことができる展覧会が、2025年12月2日から2026年1月18日にかけて、渋谷ヒカリエホールにて開催されます。この大規模な展示は、名高い椅子研究家でコレクターの織田憲嗣氏の個人コレクションに基づき、約160点のウェグナーの椅子が一堂に集まります。
特に注目すべきは、ウェグナーを代表する「ザ・チェア」のプロトタイプや貴重な復刻版、さらには彼の思想を感じさせるオールドタイプなど、確かな質と量を兼ね備えた作品たちです。これまで日本国内で行われたウェグナー展の中でも、かつてない規模を誇るこの展示会では、来訪者は彼のコンセプトやデザイナーとしての生涯をより深く理解することができるでしょう。
ウェグナーの魅力とその影響
ハンス・ウェグナーは、デンマークとドイツの国境付近にあるトゥナーに生まれた後、17歳で家具職人としてデビューし、彼のデザインは多くの名作を生み出してきました。1940年代からは、アルネ・ヤコブセンなどとともにオーフス市庁舎の家具デザインにも携わり、ミッドセンチュリー期の代表的なデザイナーとして国際的に高い評価を受けることになります。彼のデザインには、素材に対する深い洞察や職人技が色濃く反映されており、そのためウェグナーの椅子は、機能性と美しさを兼ね備えています。
個人的なコレクションでありながら、展示される作品群は全てが高い質を誇ります。織田氏が50年以上にわたって収集し続けてきた作品は、まさにハンス・ウェグナーの生涯を追うことができる貴重な資料です。その中でも、ウェグナーの代名詞ともいえる「ザ・チェア」は特に圧巻です。
織田コレクションの価値
織田憲嗣氏が手がけるこのコレクションは、北欧デザインを中心にした約1350種類の椅子から成るもので、他にも様々な家具や日用品が含まれています。このような幅広い範囲での収集活動は、世界でも類を見ないものとされています。そのため、今回の展覧会は単なる椅子の展示にとどまらず、デザインやライフスタイルにおける啓蒙的な役割を果たすものといえるでしょう。
展覧会の参加と詳細
本展の主催はBunkamuraで、特別協力には北海道東川町や旭川家具工業協同組合などが参画しています。また、東海大学名誉教授の織田憲嗣氏が学術協力に名を連ね、デンマーク王国大使館も後援しています。
来場者は、ウェグナーの作品だけでなく、彼が影響を受けた北欧のデザイン哲学をも感じ取ることでしょう。この展覧会では、「美しくていねいに暮らす」ためのヒントも発見できるかもしれません。
詳細情報やチケット情報は、公式サイト(
Bunkamura)で追って発表される予定です。
2025年冬、この貴重な展示にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。