三重県多気町が目指す次世代の技術拠点
2025年11月28日、三重県多気町が「Taki-VISON Open Lab」という新たな産学官連携プロジェクトを始動させることが発表されました。このプロジェクトは、東京大学モビリティ・イノベーション連携研究機構やヴィソン多気株式会社と共に、先端技術を地域課題に活かし、新しい価値を創出することを目指しています。
1. プロジェクトの背景と目的
このプロジェクトは、2024年11月11日に締結された東京大学との協定に基づき、多気町がこれまで取り組んできたデジタルトランスフォーメーション(DX)やグリーントランスフォーメーション(GX)をさらに推進するものです。
また、商業リゾート施設「VISON」を実証フィールドとし、最新の技術を取り入れることで、多気町を“日本版シリコンバレー”とすることを目指しています。
2. 記者会見での発表内容
多気町役場で行われた記者会見では、久保行央多気町長、ヴィソン多気株式会社の代表取締役立花哲也氏、Future株式会社の井原慶子CEOが登壇し、それぞれの専門的な見解を述べました。久保町長は、「このプロジェクトを通じて、多気町の魅力を地域住民に届けたい」と語り、時代の最先端を行く地域振興の重要性を強調しました。
さらに、東京大学の中野公彦教授は、「この取り組みは、歴史的な転換点になるだろう。これまでの実証段階から実装段階へと移行し、持続可能な社会システムを築いていく」と意義を説明しました。
3. プロジェクトの具体的内容
このプロジェクトでは、「モビリティ」「観光」「防災」「医療・福祉」の各分野において、先端技術を実装し、地域の問題解決を図ります。
自動運転技術を駆使し、ライドシェアサービスや複数のモビリティを統合したプラットフォームを構築していく予定です。
ヘルスツーリズムをテーマにした観光MaaS(Mobility as a Service)を展開し、多気町への訪問者をさらに誘致します。
オンライン診療をはじめとした新しいヘルスケアの形を実現し、高齢者見守りサービスを充実させる計画です。
ドローン技術を活用し、非常時の物流や電力供給に関するシステムを整備し、地域の安全性を高める取り組みも予定されています。
4. 産学官が連携して未来を作る
これらの取り組みを進める中で、多気町・VISONは新たなフィールドを提供し、参画企業の募集や誘致も2025年12月から開始します。また、東京大学が専門的なアドバイスを行い、地域活性化のための産学官連携を推進していく役割を担っています。
多気町は、これらの取り組みを通じて、全国のモデルケースになることを目指しています。今後、多気町が“日本版シリコンバレー”として名を馳せる日も近いのかもしれません。