パーム油企業格付け2024年実績発表
プランテーション・ウォッチによる「パーム油企業格付け2024年実績」が公開され、国内の企業14社がパーム油に関する取り組みの実態を示しました。この評価は、2016年から開始されたアンケート調査に基づき、主要な業界の企業に対する評価を行ったものです。日本におけるパーム油の利用においてどのような進展がなされているのか、見ていきましょう。
評価の概要
2024年度の調査では、対象となった77社のうち、40社が評価に回答しました。この結果、全体の52%の企業が何らかの形で意見を表明したことになります。興味深いことに、森林問題解決のための国際基準であるNDPE方針を採用している企業は16社(全体の21%)に留まったものの、ミルリストを公開した企業が12社(16%)という結果が示されています。
一方で、パーム油問題への対応が特に低かったのは小売業界や外食産業であり、それぞれの回答率が著しく低い結果となりました。
評価結果の詳細
2024年度の評価では、企業はAからDまでの評価を受けることになります。最も優れたA-評価を取得したのは1社、続いてB+評価が2社、B評価が7社、B-評価が4社、C評価が20社、D評価が6社という結果でした。そして、全体の37社(12%)からは残念ながら回答を得られませんでした。
B+評価を取得した企業は、すでにNDPE方針やミルリストの導入を行っており、取り入れを進めている企業として注目されています。その一方で、C評価を持つ企業はRSPO認証油の調達を行っているものの、NDPE方針の詳細を公表していない段階にあるとされます。
特に、B-評価の企業においては、NDPE方針の採用が鍵であると指摘されており、パーム油の生産国での環境問題に対処するためにはサプライチェーンの開示が不可欠であるとされています。
業界別の取り組み
業界別に見ると、特に油脂、総合商社、お菓子、インスタント食品などの企業が取り組みを強化している傾向が見られます。そして、小売業界、パン業界、外食産業については依然として意識の低さが浮き彫りになっており、今後さらなる改善が求められています。
評価方法と信頼性
プランテーション・ウォッチが創出した評価基準に従い、企業の取り組みはAからDの評価にスコアリングされます。この評価は、回答内容を元にしているものの、重要な項目に対しては細心の注意が払われており、一般的な文言では不十分と見なされています。具体的には、環境・人権に配慮するという表現があったとしても、具体的な表現がなければ評価対象とはならないという点が強調されています。
参考情報
各企業の評価や詳細については、プランテーション・ウォッチの公式ウェブサイトで確認することができます:
企業格付け2024年実績
企業のパーム油への取り組みが、未来の持続可能な社会を築く一助となることを願っています。今回の結果を受け、さらなる意識の高まりと行動が求められています。