データサイエンティストに関する国際調査の結果
一般社団法人データサイエンティスト協会は、日本とアメリカ、インド、ドイツの4カ国の一般ビジネスパーソンを対象に、データサイエンティスト(DS)という職種の認知度や理解度に関する調査を実施しました。その結果、日本におけるDS職への認知は意外にも低く、各国との比較で大きな差が見られました。特に、DSに関心を持つ割合や所属企業の専任部署の有無など、先進国らしからぬ結果に驚かされます。
調査の目的と意義
この調査は、データサイエンティスト市場における「需要と供給のミスマッチ」を解消するための活動の一環として行われました。主な目的は、一般的なビジネスパーソンがデータサイエンティストという職業についてどれほど理解し認知しているのかを明らかにすることです。また、データサイエンス教育の普及状況も把握するため、各国間で比較を行いました。
調査結果の注目点
この調査では、日本のDSの認知率はわずか25.3%でしたが、インドでは80.8%に達しており、各国のビジネスパーソンがDSという職種をどれだけ認識しているかの違いが如実に表れました。さらに、DSという職業に就くことに対する興味は、日本では31.0%と前年比で減少しましたが、アメリカでは47.4%と昨年比で増加しました。
また、企業でのDS専門部署の存在率も日本は7.7%に対し、他国は25.1%から68.8%と大きな差が見られました。特にアメリカやインドでは、DSの専門部署が整備されていることが強調されています。
生成AIの現状
さらに、生成AIの導入状況についても調査が行われ、日本の企業での導入率は5.4%と低い一方で、アメリカでは27.2%に達しています。この差は、生成AIが企業におけるデータ活用の重要な要素となっていることを示しています。不安を感じているビジネスパーソンの割合は日本が17.2%と他国に比べて低く、ポジティブな人が多いことも特徴的です。
教育の重要性
調査結果には、教育についても触れています。統計学の履修経験がインドでは61.5%に達しているのに対し、日本では15.2%と低く、データサイエンス関連教育プログラムの充実が求められています。
今後の展望と協会の役割
データサイエンティスト協会は、今後もデータサイエンティストの職業認知を高める活動を行います。また、情報提供や教育プログラムの充実、交流の場の提供を通じて、業界全体の発展を目指します。
最後に
今回の調査結果は、データサイエンティストの職業を取り巻く環境の現状を浮き彫りにしました。データサイエンティストを目指す若者が必要とされるスキルを習得できるよう、教育機関との連携を強化し、データサイエンスの重要性を社会全体で認識していくことが急務です。
調査の詳細は、一般社団法人データサイエンティスト協会の公式ウェブサイトにて公開されています。