株式会社徳間書店が11月8日(金)に新たに発売する徳間文庫のラインナップが発表されました。今回は多彩なジャンルから注目作が並び、特に平安時代を舞台にしたミステリーや現代の警察小説がファンの心を掴む内容となっています。
まず注目は六道慧による『安倍晴明くすしの勘文』。この作品は、陰陽師として名を馳せた安倍晴明と彼の孫娘にあたる少女・小鹿が中心となります。物語は、母である多治比文緒が突如として姿を消し、その行方を追う小鹿の姿を描きます。さらに御所には化け猫が現れ、彰子が住む飛香舎には不気味な絵が貼られるという不穏な展開が待ち受けています。この絵が示すものは何か、彼らは真相にたどり着けるのか、緊張感あふれるこの後宮ミステリーは、平安時代の妖気と謎の世界に引き込みます。
次に紹介するのは、香納諒一の『刑事群像』です。彼の作品は多くの読者に愛されており、「KSP」として累計20万部を売り上げたヒットシリーズを持つ著者です。今回の長篇は、京浜運河近くで見つかった全裸死体を巡る捜査に焦点を当て、さまざまな人間関係や複雑な背景が絡み合います。かつて捜査一課に所属していた元刑事・沢崎が関与した事件の真相を追う彼らの姿は、読者に警察小説の魅力を余すところなく伝えてくれることでしょう。
さらに、門田泰明の『存亡』も目が離せません。国家存亡を懸けた対テロ特殊部隊の壮絶な戦いを描いたこの作品は、日本の防衛が試練に立たされる様子を描写します。陸上自衛隊の指揮のもと、重武装集団が襲撃する中、特殊部隊がどのように立ち向かうのか。命運をかけた激しさや、予測不可能な展開の連続は、国防に興味を持つ読者にとっても見逃せない一冊です。
最後に、西村京太郎の『十津川警部裏切りの街東京』も紹介します。この作品集では、十津川警部が都内で遭遇するさまざまな事件が描かれています。特に妻の病気を背景にしたエピソードでは、医療の現実とも向き合う内容となっており、ミステリー好きだけでなく幅広いジャンルのファンにおすすめの一冊です。
このように、今年11月の徳間文庫新刊は、平安時代の神秘から現代の犯罪捜査まで多様な物語が楽しめます。もう新刊が待ちきれないという方は、ぜひチェックしてみてください。