大阪・関西万博で国産材の再利用が進行中
大阪・関西万博が2023年10月13日に閉幕しましたが、このイベントで使用された国産材の再利用に関する取り組みが注目を集めています。大東建託株式会社は、万博で提供された屋外イベントステージ「ポップアップステージ(東内)」に使用した木材を、今後の建築資材や現場資材として活用することを決定しました。
国産材の詳細と再利用計画
使用された国産材には、3棟の「CLTキャビン」に使われた国産CLTパネルや、観客席を兼ねた「ウッドデッキ」で用いられた国産ツーバイフォー材が含まれています。これらはすべて国内で生産された材料であり、万博の目的に沿った持続可能な使用が期待されています。特に、CLTキャビンは再生可能なユニット構造で、トラック輸送が容易なため、建設現場の事務所やお客様案内、PRスペースなどに活用する計画です。また、ウッドデッキに使用された木材は、リサイクル・パーティクルボードとして製造され、全国の建物に下地材として再利用される予定です。
CLTパネルの再利用
さらに、日本館で使用されたCLTパネルについても、大東建託は「CLT再利用パートナー」に選出されています。このパネルは加工が最小限に抑えられているため、解体後の再利用が簡単にできます。企業や自治体などでの活用が見込まれ、特に東京都江東区にある「ROOFLAG(ルーフラッグ)賃貸住宅未来展示場」では、展示用モニュメントやノベルティ制作への活用が計画されています。
環境への配慮と国産材の活用
再利用される国産材の総量は約72㎥で、構造材9,100本分、二酸化炭素の固定量としては44t分に相当します。この取り組みは、大阪・関西万博の「持続可能な開発目標(SDGs)達成への貢献」に資するものであり、資材や建材の移設、解体、再利用に関する関心も高まっています。大東建託は2024年6月に万博へのさらなる協賛を決定し、国産材の安定供給と持続可能な社会の実現に貢献する活動を強化しています。
今後の展望
実際、大東建託は2019年から茨城県小美玉市などで国産材を使った新たな工法や商品の開発にも取り組んでいます。今後は、建材の9%を国産材で構成することを目指し、特にCLTの使用量については2024年度比で8倍に拡大する計画があります。また、2025年2月には住友林業と業務提携を結び、国産材の安定供給体制構築を目指していくということです。
最後に
大東建託は、国産材の有効活用を通じて日本の林業振興と地域創生に寄与することを目指し、これからも取り組みを推進していくとしています。そして、社会全体が持続可能な方向へ進むためには、国産材の重要性がますます高まっているといえるでしょう。大阪・関西万博の成功とともに、これらの取り組みの行く末にも大いに関心が寄せられています。