20代転職者の実態を探る
近年、転職市場は活況を呈しており、特に20代の若者たちがその中心にいます。自身のキャリアや生活の質を向上させようとする彼らの心の内には、給与だけではない様々な要素が潜んでいます。株式会社ツナグバによる「20代転職白書」から得られたデータを基に、彼らの本音を深掘りしていきましょう。
調査概要
株式会社ツナグバは、2024年7月23日から26日の期間に、311人(男性100人、女性211人)を対象にインターネット調査を実施。転職や企業選びに関する基準、希望条件、情報収集方法について、詳細なデータを収集しました。この調査の目的は、20代の若者がどのような基準で企業を選ぶのかを理解することにより、より良い職場環境を提供することです。
転職時に最も重視するポイントは?
調査結果から、転職時に最も重視されるポイントには以下のようなものがありました。
- - 給与や待遇:73%(男性:73%、女性:72.51%)
- - 企業の安定性:7%(男性:7%、女性:8.06%)
- - キャリアのアップや研修制度:5%(男性:5%、女性:2.37%)
- - 未経験からの募集の有無:7%(男性:7%、女性:8.06%)
- - 職場環境や文化、企業の社会的責任:8%(男性:8%、女性:9%)
特筆すべきことは、やはり給与や待遇の重要性で、若者の間で強い関心が寄せられています。また、企業の社会的責任やSDGsへの取り組みの関心も高まっており、若者たちは企業の姿勢にも目を向けていることが分かります。
職場環境への希望条件
次に、職場環境に関しては何が重視されているのでしょうか?
- - リモートワーク制度の導入:17%(男性)、15.17%(女性)
- - フレックスタイム制度の有無:11%(男性)、13.27%(女性)
- - 福利厚生の充実度:31%(男性)、30.81%(女性)
- - ワークライフバランス:31%(男性)、35.55%(女性)
「ワークライフバランス」の重要性が特に高く、特に女性の35.55%がこの項目を選択しています。これは、労働環境の質や生活の質を求める傾向が明確に表れています。加えて、福利厚生の充実度が重視されることもわかりました。
情報収集の信頼性
最後に、企業情報の収集方法について調査した結果も興味深いです。最も信頼されている情報源は以下の通りです。
- - 求人サイトや転職エージェント:44%(男性)、47.87%(女性)
- - 企業の公式サイト:27%(男性)、20.85%(女性)
- - インターネットのレビューや評価:13%(男性)、19.43%(女性)
特に求人サイトや転職エージェントが重視されていることから、外部の情報に依存する傾向が見えます。男女での情報収集の傾向にも違いがあり、男性は公式情報を重視し、一方で女性は他者の経験を参考にする傾向が強いことがわかりました。
まとめ
今回の「20代転職白書」による調査を通じて、20代の転職者は給与、職場環境、企業の社会的責任など多角的に企業を評価することが明らかになりました。この調査結果を基に、企業は人材戦略を見直し、より良い職場環境を提供することが求められています。持続可能な社会の実現に向け、企業と求職者のミスマッチを減らすことが、未来の労働市場の健全化に繋がることでしょう。