AIで業務効率化
2025-12-11 10:07:26
武田薬品とEYが取り組むAI活用による固定資産業務の自動化事例
武田薬品とEYの画期的な自動化ソリューションの発表
武田薬品工業株式会社とEY税理士法人は、ファイナンス領域における固定資産業務の効率化を目的としたAI技術の導入を発表しました。この共同プロジェクトでは、AI OCR(光学式文字読み取り技術)と機械学習AIを融合させ、見積書のデータ入力作業を自動化するだけでなく、資修判定業務も効率化することで、生産性向上を図ります。
背景にある業務課題
近年、企業の会計や税務分野では専門知識が要求される業務が増加しており、手作業によるデータ入力や判断業務が業務効率を下げる要因となっています。特に、固定資産データの管理や運用に関しては、毎年膨大な時間とリソースが費やされています。これらの課題を解決すべく、武田薬品とEYはAI技術の導入を決定しました。
AI技術による業務改善
この新しい取り組みでは、AI OCRを活用して外部から送られる多様な形式の見積書からデータを自動で読み取り、Excelへの転記作業を効率化します。これにより、年間1,000時間を超える工数を削減することができると見込まれています。さらには、機械学習AIにより、過去のデータを学習させることで、会計・税務の専門知識を要する資修判定業務も自動的に処理可能になります。
具体的には、資修判定業務において適切な資産クラスや耐用年数を自動で推定し、投資家や経営層に対する正しい財務情報の提供を支援します。この自動化は、企業が財務諸表の整合性を保ちながら、減価償却費用を正確に算定し、財務的な透明性を向上させるのにも役立ちます。
具体的な計画と実施段階
武田薬品とEYの共同開発は2025年5月から始まり、段階的に進められています。武田薬品が業務要件を明確にし、データ提供を行う一方で、EYは機械学習モデルの開発や精度検証を担当。2025年に入ってからは、実運用を通じてのAIモデルの改善も進行中です。
特にAI OCRは2025年11月から本格導入を始め、さらに機械学習AIもパイロット導入の後、2026年4月に本格導入を計画しています。これにより、国内のみならず海外拠点にも同ソリューションを展開し、グローバルな業務効率化を図る意向です。
業務改革に向けた企業理念
この取り組みについて、武田薬品の責任者は「すべての患者さん、仲間、そして地球のためにデータとデジタルの力でイノベーションを促進する」という企業理念の下で進められています。またEYのリーダーも、デジタルソリューションのEnd to Endプロセスを全社に適用する試みとして評価を受けています。
このような業務改革は、特定スキルを持つ人材不足という日本社会全体の課題解決にも寄与することが期待されています。デジタル領域でのイノベーションがファイナンス業務に新たな風を吹き込むことは間違いありません。
今後の展望
武田薬品とEYの取り組みは、固定資産業務だけでなく、企業全体の業務効率化に大きな影響をもたらすと考えられます。AIとデジタル技術の活用により、企業の業務プロセスの標準化と効率化が進み、最終的にはビジネス全体の生産性向上につながるでしょう。これからの進展が非常に楽しみです。
会社情報
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EY Japan
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