JFEエンジニアリングが新たに発表した自動ボルト締め付けロボットシステムとは

JFEエンジニアリングが新たに開発した自動ボルト締め付けロボットシステム

2025年2月18日、JFEエンジニアリング株式会社（社長：福田一美、本社：東京都千代田区）は、鋼橋の建設工事において重要な役割を果たす高力ボルトの締め付け作業を自動化する画期的なロボットシステムを開発したことを発表しました。このシステムは、数万本を超えるボルト締め付け作業を自動で行えることが特徴で、約40%の省人化を実現します。これにより、施工品質の向上や高所作業時間の短縮など、労働環境の改善にも寄与するものと期待されています。

高力ボルト作業の自動化の意義

鋼橋建設においては、膨大な数の高力ボルトが使用され、これらのボルトの締め付けは、工程の中でも特に重要な作業です。従来は多くの労働力を必要とし、かつ高所での作業が多いため、作業者の身体的負担が大きかった。しかし、この新しいロボットシステムは、一次締め、本締め、検査、ピンテール処理といった一連の工程を自動で行います。これにより、省人化だけでなく、作業の効率化と安全性の向上が見込まれます。

システムの技術的特長

本システムは、協働ロボットに独自開発の制御システムを組み合わせることで、ナットにしっかりとフィットするようにシャーレンチを装着し、スムーズな施工を実現しています。具体的には、以下のような特長があります：
1. 高精度な自動施工：ナットの勘合を安定させるシステムや、ビジョンセンサーによるボルト配置の自動認識を採用し、連続的な施工を可能にしています。
2. AI検査システムの活用：自社開発のボルトAI検査システムを用い、締め付け検査を自動化し、施工の精度を高めています。
3. 施工管理の効率化：品質管理データを自動で記録するシステムを導入し、管理業務の負担を軽減。
4. 広範囲の施工能力：新たな移動式台車を開発し、広い範囲での施工を連続して行えるようにしています。

労働環境の向上

関心が集まる人手不足問題への対処としての側面も強い本システム。導入することで、労働時間が大幅に短縮されるため、作業者の肩の荷も軽くなるでしょう。また、作業者の身体的負担の軽減、さらには安全性の向上が見込まれています。

2025年度の導入に向けた動き

この新技術は、FANUC社の協働ロボットCRX 20iA/Lを採用したもので、導入の実現に向けてはFANUC社の協力も得ています。さらに、制御システムはグローバルコネクト社とも連携し開発されました。JFEエンジニアリングは、2025年度から実際の工事現場での導入を開始する予定で、段階的に展開を進めていく方針です。

まとめ

この重要な技術革新により、建設業における生産性向上と労働環境の改善が期待されます。JFEエンジニアリングは今後も様々な技術を開発し、人手不足に対応した効率的な作業環境を提供し続けることでしょう。",
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