東京エレビが提供する新しい防犯システムとは？エレベーター利用者を守る取り組み

エレベーターの安全を確保する「東京エレビ」

2023年12月17日、独立系エレベーター保守会社最大手のSECが、都内のオフィスビルやビジネスホテルにおいて防犯カメラ付きの多機能ディスプレイ「東京エレビ」の提供を本格的に開始します。この取り組みは、より安全かつ快適なエレベーター利用を実現するための「PROJECT ELEV」の一環です。実際に、東京エレビを利用することで、利用者はその利便性と安全性を実感できるようになるでしょう。

「PROJECT ELEV」の目的と背景

「PROJECT ELEV」は、都内23区のビルにおけるエレベーター利用者にとっての安全性を高めることを目指しています。特に、若い女性のアンケート結果では、「知らない人と密室にいるのは不安だ」という意見が多く、実際に不安を感じている方が多かったことが明らかになっています。そこで、エレベーター内に防犯カメラを設置することで、利用者の安心感を高める必要があると考えられました。

しかし、防犯カメラの設置には一般的に高額なコストがかかるため、その普及が思うようには進んでいませんでした。特に、設置費用は約30～50万円とのこと、一般的な室内用防犯カメラの約5倍の価格です。そこでSECは、東京社との共同開発により、コストを抑えたソリューションを提供することにしました。

東京エレビの特徴と利便性

「東京エレビ」は、エレベーター専用のメディアとして、多機能なディスプレイを搭載しています。このディスプレイは、あらゆる形状のエレベーターに簡潔に設置でき、設置時間も約30～45分程度と短時間で完了します。また、設置費用や運営コストを0円に抑える仕組みが用意されているため、多くのビルにとって導入しやすい特長を持ちます。

さらに、情報掲示機能があらかじめインストールされており、日々の物件管理情報の他にも、緊急時の避難経路やテナントによる広報など、様々な情報をウェブ経由で掲示することが可能です。

現在すでに、都内100ヶ所以上のエレベーターに設置運用が行われ、利用者からは好評を得ています。

今後の展開とビジョン

SECと東京社のコラボレーションにより実現したこのプロジェクトは、今後さらにエレベーター制御システムとの連携や、ビル内コミュニケーションを活性化させる仕組みを導入していく予定です。「東京エレビ」を通じて、エレベーター利用者のさらなる利便性向上を目指していくことが期待されています。

今回の取り組みは、都市におけるエレベーターの役割を再定義し、利用者にとっての「安心・安全な空間」を提供する一歩となることでしょう。エレベーターの新たな利用体験は、東京の街の魅力の一部となるに違いありません。