学生制作ドキュメンタリー『声の水溜まり』が国際映画祭にセレクション
追手門学院大学の社会文化デザインコースで学ぶ学生たちが制作したドキュメンタリー映画『声の水溜まり』が、2025年にインド・チェンナイで開催される「第13回チェンナイ国際ドキュメンタリー短編映画祭2025」で上映されることが決まりました。この映画祭は、世界各国から集まる多様なドキュメンタリー作品を紹介する重要なイベントとなっています。
映画の内容について
『声の水溜まり』は、1970年の大阪万博を契機に急速に発展した茨木市の変遷に焦点を当てています。2025年の大阪・関西万博を迎えるにあたり、過去50年以上にわたるこの都市の歴史を掘り下げ、住民や市職員へのインタビュー、過去を写した写真、現代の街並みを映した映像を通じて、記憶や体験を視聴者に伝えます。
このプロジェクトは、林勇気教授の授業の一環として、社会学部の学生たちが中心となって企画、脚本、撮影、編集を行い、作品として完成させました。2024年1月には、閉館が決まっていた茨木市福祉文化会館オークシアターでの上映を行い、国際映画祭に参加するために、国際学部のThomas Brook講師と学生たちによる英語字幕が付けられました。
数百作品の中から、選ばれたのはわずか26作品。その中に本作が名を連ねたことは、学生たちの努力の賜物です。
学生の思いと成長
映画の中では、大学に通う学生が初めて茨木市とのつながりを感じ、その歴史を辿る過程が描かれています。学生たちの心の内に芽生える「ふるさと」としての意識や、街の移り変わりとともに失われていくもの、新たに生まれるもの、そして変わらずに残り続けるものについて、深く考えさせられます。
特に、阪急茨木市駅前の「ソシオビル」の建て替えやオークシアターの閉館、さらに2023年に新たにオープンした文化・子育て複合施設「おにクル」など、街の施設が果たしてきた役割を丁寧に掘り下げ、2025年の万博を控えた茨木市の過去と未来を見つめ直す作品となっています。
国際映画祭での上映
「第13回チェンナイ国際ドキュメンタリー短編映画祭」は、2025年2月21日から28日までの間に、インド・チェンナイの複数の会場で開催されます。本作『声の水溜まり』は、2月24日の上映が予定されています。学生たちにとっては、国際的な舞台で自らの作品を発表する貴重な機会であり、さらなる成長を促す経験となるでしょう。
このように、学びの場で培った知識や技術を通じて、学生たちが地域社会の歴史や文化に目を向け、未来を見据える姿勢は、今後の成長に大きく寄与することと思います。