農業分野における事業性評価の革新を目指す
近年、農業分野における事業性評価の難しさが注目されています。特に「担保がないから融資を受けられない」という声をよく耳にしますが、これは多くの農業経営者の実力が十分に評価されていないからです。株式会社ファーム・アライアンス・マネジメント(以下、FAM)は、この状況を改善すべく、2026年5月25日に施行される事業性融資推進法(企業価値担保権の創設)に注目し、実証研究を開始します。
農業経営の財務諸表における限界
日本の農業経営者の多くは、財務諸表や物的担保では計り知れない能力を持っています。この経営者たちの実力は金融機関には伝わりづらく、財務情報に基づく「情報の非対称性」が問題となっています。この実証研究は、過去ではなく現在の変化を捉える「期中モニタリング」を通じて、農業における事業性評価の課題に挑むものです。
事業性融資推進法と新たな取り組み
この新しい法律の施行によって、企業の将来性や無形資産を担保として評価する「企業価値担保権」が設けられた一方で、地域金融機関では融資後の事業実態をいかに把握するかが大きな課題として浮上しています。農業分野では、事業者の経営状態が決算時にはすでに変化している場合も多く、財務諸表には表れない「経営プロセスの質」が経営の持続性に大きな影響を与えます。
実証研究(PoC)の概要
FAMは、九州地域を主な対象とする先進的な農業法人10社と協力し、過去3〜5年分の経営記録や作業記録、収穫データを分析します。このデータを使用して、財務諸表が悪化する前に農業経営での変化や回復力を捉える数理モデルの研究を行います。この研究は、農業経営における継続的な事業変化を正確に把握するための新たな方法を提供することを目指します。
実証期間は2026年7月から2026年11月までで、露地野菜や施設園芸、穀物を対象にした生産作型が含まれます。
今後の展望:他産業への応用へ
本実証研究は、2026年7月にデータ分析を始め、地域金融機関との連携を通じて信頼性の高い評価プロトコルへと進化させる計画です。農業分野の実績を基に、将来的には製造業や他の中小企業へ向けた応用も視野に入れています。このアプローチが成功すれば、他産業にも重要なインサイトを提供できる可能性があります。
FAMの目指すところ
FAMは、農業現場の課題解決に向けたサービスを提供する企業です。国際的な認証や農業ICTツールの提供を行いながら、現場のデータを金融実務に橋渡しする独自の研究開発を進めています。農業分野から日本の事業性融資実務に新たな視点をもたらすことを目指し、今後も積極的に取り組んでまいります。