ペット保険データから見えた歯周病リスク
アニコム損害保険株式会社は、日本全国のペット保険データを用いて犬と猫の歯周病リスクを大規模に研究し、その成果を国際学術誌「Frontiers in Veterinary Science」に発表しました。この研究は、アニコムグループの研究者が中心となり、全国のペット保険請求データを基に行われました。
研究の目的と方法
本研究の目的は、犬と猫が加齢と品種によってどのように歯周病リスクが異なるかを明らかにすることです。解析には、2023年に契約された犬約69万頭と猫約19万頭の匿名化された請求データが使用されました。その結果、歯周病リスクは犬猫ともに加齢と共に増加し、さらに品種による違いも存在することが確認されました。
研究結果の概要
犬におけるリスクパターン
犬では、小型犬や超小型犬が特に若齢期から高いリスクを持つことが明らかとなりました。また、新たに品種グループ毎にリスクの年齢変化の特徴を4つのパターンに分類しました。以下のような傾向が見られました:
- - 若齢期からリスクが高いが、加齢による増加は緩やか
- - 若齢期リスクは低いが、高齢化に伴い急増
- - 若齢期からリスクが高く、加齢によっても急増
- - 基礎リスクおよび増加率ともに平均的
これらの知見は、犬種ごとに異なる要因が影響している可能性を示しています。
猫におけるリスクパターン
一方、猫においては、品種間の基礎リスク差は小さいものの、加齢に伴うリスク増加には差がありました。51品種の中で、最も加齢によるリスク増加率が高かったのはシャム猫でした。また、エキゾチック、ヒマラヤンなどの短頭種にも高い傾向が認められました。
研究の意義
この研究から得られた知見は、歯周病が「高齢期に注意すべき疾病」だけではないことを証明しました。品種や個体の体格によってリスクが異なるため、若い頃からの適切なケアが非常に重要です。また、獣医療における診断や飼い主への情報提供に大いに役立つことが期待されます。
今後の展望
アニコムグループは、今後もペット保険データの分析を続け、伴侶動物医療の向上を目指すと共に、ペットとその飼い主にとってより良い生活を提供するために貢献していく方針です。
論文情報
- - 論文タイトル: Species-and Breed-Associated Heterogeneity in Age-Related Increases in Periodontal Disease Risk among Dogs and Cats Based on Japanese Insurance Claim Data
- - 掲載誌: Frontiers in Veterinary Science
- - 著者: 秋山礼良、松本悠貴、堀江亮