女性のキャリア支援を目指すクロスメンタリング
2023年7月23日、アデコ株式会社をはじめとする8社が、女性のキャリア開発を支援する「クロスメンタリング」プロジェクトを推進するためのキックオフミーティングを実施しました。このプロジェクトは、メンター(支援者)とメンティー(支援を受ける人)を他の企業同士でつなぎ、キャリア形成を互いにサポートする取り組みです。
背景と目的
「クロスメンタリング」は、経済産業省が実施している「企業横断型メンタリングプログラム」を起点にして2022年度から始まりました。アデコ、パナソニック コネクト、ルネサンスの3社が先行して実施し、参加者からの高い満足度を受けて、2023年には8社に拡大する運びとなりました。
この取り組みの主な目的は、女性社員のキャリア目標達成の支援、ネットワーキングの促進、そして日本における多様性と包摂性(DE&I)の向上です。具体的には、各社から選出されたメンター(部長クラス以上の女性)とメンティー(課長クラスの女性)が、それぞれ2名ずつ参加し、合計32名がこのプログラムに参加します。
実施概要
プログラム期間中には、メンターとメンティー1on1で合計3回の対面セッションが行われます。また、参加者同士の共有会も設けられ、メンティー同士の学びやロールモデル講演が予定されています。これにより、参加者は異なる企業文化や視点からの学びを得る機会が増えます。
イベントレビュー
初回のキックオフミーティングでは、昨年度のメンターを務めた他社の代表が体験談を語り、参加者にエールを送りました。お互いの顔を合わせることで、メンターとメンティーの関係性を築く第一歩が踏み出されました。
各社のコメント
参加する企業の執行役員らは、今回の取り組みの重要性と期待を語りました。アデコの籾山直威氏は、女性の活躍を支援することは多様性のある企業文化の醸成に寄与するものであり、このクロスメンタリングを通じた情報発信が重要だと強調しました。
イオンの渡邉廣之氏は、グループの未来ビジョンとしてDE&I推進を重視しており、多様な経験を持つ女性幹部とのネットワーキングが成長に繋がると語りました。
エスエス製薬の大巻愛氏は、リーダーシップ職への昇進に必要なロールモデルの不足について触れ、このプログラムの重要性を訴えました。
シチズン時計の宮本佳明氏は、多様性を尊重し、女性社員が自らの課題に向き合う安心できる環境を築くことの意義を強調しました。
さらに、TOPPAN HDの奥村英雄氏は、女性の活躍を社会全体の課題として捉え、企業合同でのなりわい変革に期待を寄せました。パナソニック コネクトの玉田豊氏も、異なる視点を交流できる機会を重視し、社員のキャリア形成に貢献すると述べました。
最後に、明治HDの関根利泰氏は、企業として成長するためには参加企業同士の協力が重要であるとし、クロスメンタリングによって得られる新たな気づきに期待を寄せました。
ルネサンスの武藤亮夫氏も、「業界を超えた対話によって参加者が自分らしい生き方を見つける場であることが、企業の理念に繋がる」と述べ、期待を寄せています。
まとめ
このように、8社の合同によって進められるクロスメンタリングプロジェクトは、参加者のキャリア形成と日本社会における女性の活躍を促進する重要な一歩となるでしょう。各社が手を取り合い、共に成長することで、より良い職場環境が築かれていくことが期待されます。