冷蔵庫にフィットする一升びんが最優秀賞
日本酒好きの皆さん、特に冷蔵庫のスペースを気にされる方に朗報があります。小さな酒蔵の社長がデザインした一升びんが、業界最大のコンペティション「ガラスびんアワード」で堂々の最優秀賞に輝きました。どのような背景があったのか、詳しい取材をお届けします。
ガラスびんアワードの概要
このアワードは日本ガラスびん協会が主催。毎年、新たに発表されたガラスびん商品を対象に、デザインや機能性、環境性などさまざまな観点から審査が行われます。今年は143件の審査対象から、リリー・フランキー氏をはじめとする審査員たちの厳正な審査を経て、最優秀賞に選ばれました。注目すべきは、家庭用冷蔵庫にフィットするデザインで、容量は一升びんと同じ1.8L。
受賞の理由
最優秀賞に輝いた理由は、その驚きのサイズとデザインにあります。冷蔵庫のドアポケットにぴったり収まる形状に仕上げられ、楕円形のシルエットが特徴です。さらに、多面カットされたガラス表面は光を美しく反射し、見た目の美しさも際立ちます。シンプルでありながらインパクトのあるラベルが施されていることも、商品の魅力を引き立てています。
審査員のコメント
審査員のリリー・フランキーさんも、この一升びんの魅力を絶賛しています。特に、若手審査員である未来リナさんが感じ取った冷蔵庫に入る一升びんの新鮮さは、他の審査員にも大きな影響を与えました。彼の言葉を借りれば、「普段の生活に彩りを加える道具の重要性を再発見させてくれた。」とのこと。
酒蔵社長の思い
この一升びんをデザインしたのは、吉川醸造株式会社の社長、合頭義理さんです。彼のデザインの出発点は、顧客からの「冷蔵庫に入るような一升びんが欲しい」という意見でした。この要望を受けて、手に馴染む楕円形と美しい光の反射を生む多面カットを生み出しました。「嬉しいことに、飲み終えた後もピッチャーや花瓶として使っていただけるお客様からの声が、私たちに新たな価値をもたらしている。」と彼は語ります。
ガラスびんの役割
ガラスびんは地球環境にやさしいリサイクル性が高く、有害物質を含まない天然素材で作られています。このアワードは、そのようなガラスびんの価値を再認識する重要な機会です。また、優れた保存性も持ち合わせているため、飲み物だけでなく、他の用途にも多くの可能性があります。
最後に
吉川醸造は、大正元年に創業された歴史ある酒蔵で、神奈川県下で「菊勇」の名で親しまれています。昨今の厳しい状況下にもかかわらず新たな挑戦を続け、革新的なお酒づくりに取り組んでいます。今後も彼らの動向から目が離せません。
この記事を通して、日本酒の魅力とその容器としてのガラスびんの新しい可能性を感じ取っていただければ嬉しいです。