音声コンテンツの影響
2018-07-31 12:00:27
音声コンテンツが感情を刺激する理由を科学が解明 – AudibleがUCLと共に実施した研究
音声コンテンツの感情的影響を科学が証明
音声コンテンツが視覚的メディアである映画やテレビよりも、聴衆の感情をより強く刺激することがイギリスのユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究で判明しました。この研究は、Amazonの関連会社であり音声コンテンツの制作・配信において世界をリードするAudible(オーディブル)の協力の下、実施されました。
研究の背景
UCLの研究者チームは、年齢や性別を問わず103名の参加者を対象に、異なるジャンルからピックアップした名作のシーンを用いて実験を行いました。具体的には、犯罪ものやファンタジー、アクション、古典文学など、8つの有名な作品から選ばれたシーンが利用されました。
この研究では、参加者に音声による内容と視覚的なコンテンツを同時に体験してもらい、生理的反応(心拍数や皮膚電位など)を測定しました。測定には、Empatica社の生体センサーを使用し、その結果を分析しました。
研究結果のハイライト
主な発見として、音声コンテンツを聴くことで生じる体の反応が、視覚コンテンツを観る際よりも強く出ることが確認されました。具体的には、ボイスブックを聴いた際の心拍数は、視覚メディアと比べて約2bpm上昇し、最大で約3.5bpmの増加が見られました。また、聴取時の体温は約2度上昇し、皮膚の導電性が向上したことも記録されています。
特に注目すべきは、参加者が視覚コンテンツに集中できなかったと感じる一方で、生理学的データは逆の結果を示した点です。これにより、音声コンテンツが聴者の感情に与える影響を改めて考えさせられます。
UCLの研究者の見解
UCL実験心理学課のジョゼフ・デブリン博士は、「今回の研究では、ボイスブックの方が視覚的メディアよりも感情的に強い反応を引き起こすことがわかりました。これは、音声コンテンツがいかに強力な感情の喚起を引き起こすかを示しています」とコメントしています。
Audibleの展望
AudibleのCEO、ドナルド・カッツは、「音声コンテンツが持つパワフルな体験が、聴者の感情や思考に与える影響を私たちは信じています。研究の結果もこの説を裏付けるものとなりました」と述べています。彼によれば、Audibleの利用者はこの音声コンテンツの価値をすでに体感しているとのことです。
結論
この研究は、音声コンテンツの可能性を新たに認識させるものであり、今後さらに多くの研究が進むことでしょう。AudibleとUCLの取り組みは、音声メディアがどのように私たちの感情とつながっているのか、さらに深く探求するきっかけとなるでしょう。
全体を通して、音声コンテンツは視覚メディアとは異なる独自の感情的影響を持っていることが明らかにされました。今後、この研究がさらなる音声コンテンツの進化や利用推進につながることを期待したいものです。
会社情報
- 会社名
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Audible, Inc.
- 住所
- One Washington Park Newark, NJ 07102
- 電話番号
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