旭化成が第8回中国国際輸入博覧会に出展
旭化成株式会社は、2025年11月5日(水)から11月10日(月)までの期間、中国・上海市で開催される「第8回中国国際輸入博覧会(CIIE 2025)」に出展します。今回で4回目の出展となる同社のブースは、技術装備展区の3号館 C3-02に設置され、テーマは「多様な素材で新たな生産力を共創する」です。
展示内容と革新技術
旭化成は、自動車、デジタル、健康、低炭素という4つの主要分野において、革新的な製品や技術を紹介します。会期中には、様々な事業戦略発表や専門セミナーも開催され、業界関係者に向けて今後の事業展開や技術動向についての情報を提供します。
新素材「Bembreez™」
その中でも注目されるのが、新素材「Bembreez™」です。この素材は、銅アンモニア法を用いて製造された連続長繊維不織布をテープ状に加工したもので、衣料や手芸の分野において新たなデザインの可能性を広げることが期待されています。原料にはコットンリンター(綿実の周りの産毛)が使用されており、天然由来でありながら生分解性も兼ね備えています。
特長
- - 軽く柔らかな肌触り: 銅アンモニア繊維の特殊な構造により、低摩擦で肌に優しい触り心地を実現しています。
- - 優れた染色性: 繊維内に存在する微細な水分の通り道が染料の吸収を促進し、短時間で濃い色合いに染め上げることが可能です。
- - 環境調和性: 使用後は自然で分解されるため、環境への負担が少ないという利点があります。
この新素材は今後の手芸作品でも活用されることが期待されており、ユーザーの創造力を刺激するアイテムです。
非接触型センサー「ミリ波レーダー」
また、旭化成はプライバシーを守る非接触型センサー「ミリ波レーダー」も展示します。これはカメラに代わるセンサーで、特に寝室や浴室などプライバシーが重視される空間で活用され、高齢者や乳幼児を24時間見守ることができるという特徴があります。動作や状態を感知し、独居高齢者の見守りや不審者の検知、さらには非接触での心拍や呼吸の測定に対応可能です。
特に、アンテナが一体化された「AiMモジュール」を使用することで、専門知識がなくても短期間での概念実証(PoC)が可能になる点も大きな魅力です。このセンサーは様々な機器にセンシング機能を追加し、安全で快適な生活をサポートします。
高音質オーディオブランド「VELVET SOUND」
さらに、旭化成エレクトロニクスの新しいオーディオソリューションブランド「VELVET SOUND™」も展示されます。このブランドは、原音を重視した音楽や映像の体験を提供することを目的としており、特に車載オーディオ向けの「VELVET SOUND™ for Cars」を搭載したデモカーが展示され、来場者に新たな音響体験を提供します。
そのほか、樹脂グレージング用のハードコート剤も紹介されます。ポリカーボネートにこのコーティング技術を組み合わせることで、軽量でありながら高耐久性を実現し、次世代モビリティの開発にも寄与します。このセッションは、フューチャー車両のデザイン自由度を向上させることが期待されています。
結論
旭化成はこれらの革新技術を通じて、ユーザーの生活をより豊かにしつつ、持続可能な社会の実現へ向けた取り組みを進めています。第8回中国国際輸入博覧会での新たな挑戦と成果に、多くの期待が寄せられます。