日本発の新素材「ハイラクト®」がグローバル市場に挑む
日本企業のハイケムが開発したサステナブル素材「ハイラクト®」が、ミラノで開催される国際糸とテキスタイルの見本市Filoに出展されます。このイベントはファッションデザイナーやテキスタイルメーカーなどが集まる重要なプラットフォームであり、そこでの発表は業界全体に大きな影響を及ぼすことが期待されています。
Filoについて
Filoの第60回開催は、2023年9月20日から21日まで、ミラノのAllianz Micoで行われます。ハイケムはブースA1で、最新の糸やテキスタイルのコレクションを展示し、持続可能な素材への需要を促しています。公式サイトは
こちらです。
ハイラクト®の意義
ハイラクト®は、トウモロコシ由来のポリ乳酸(PLA)を基にした革新的な素材です。2020年以降、ハイケムはこのPLAの市場開拓と高機能化に注力し、2021年には「ハイラクト®」ブランドとしてポリ乳酸繊維を発表。この素材は、環境への配慮が求められる現代のテキスタイル企業に対して、新たな選択肢を提供しています。
サステナビリティの重要性
特にヨーロッパでは、テキスタイル産業全体での持続可能性が重要視され、環境負荷を軽減する素材への需要が急増しています。ハイラクト®はその要望に応える形で、注目を集めていますが、PLA繊維はその性質上、従来の石油系繊維に比べて熱に弱いという課題もあります。このような問題に対し、ハイケムは多様な化学技術と、日本のテキスタイルメーカーの伝統技術を結集し、より強力な革新を目指しています。
展示内容の詳細
Filo展では、ハイラクト®のポリ乳酸(PLA)100%に加えて、コットンやテンセル混紡のスパン糸、フィラメント糸、ニット糸の最新コレクションも披露される予定です。特に注目されるのは、独自に開発したフォーマルブラックのPLA100%フィラメント糸。この技術革新により、従来のPLAでは難しい濃い色合いの展現が可能になりました。
企業としての姿勢
ハイケム株式会社は、環境に優しいサステナブル素材の開発を進めている化学商社です。日本国内外のアパレルブランドからも高い評価を受けており、その技術はOEKO TEX Standard 100認証を取得し、国際基準を満たしています。
今後、ハイケムはFiloへの出展を足掛かりに、ハイラクト®の認知度を高め、世界中のファッション業界での普及を目指しています。グローバル展開に期待が高まる中、持続可能な未来に向けての一歩を踏み出す瞬間は、まさに今です。