職場にひそむムダ業務の実態とは?
株式会社ライズ・スクウェアが実施した「職場でムダだと思う業務に関する意識調査」の結果が発表されました。この調査は、大阪府八尾市に本社を持つ同社が、業務改善の一環として行ったもので、500人の男女に対してインターネットを通じて実施されました。調査期間は2025年6月21日から23日までで、有効回答数は500人(女性317人/男性183人)に達しました。
調査の背景
現代の職場において、多くの人は日常の業務の中で「これって本当に必要なのか?」と疑問を抱いていることがあるでしょう。時代にそぐわない慣習や形骸化した業務が、労働生産性を下げている可能性は否定できません。このような背景を踏まえ、調査を実施したのです。
ムダだと感じる業務は94.8%
調査の結果、多くの働く人が「職場でムダだと思う業務がある」と感じていることが明らかになりました。なんと94.8%の回答者が「ムダな業務が存在する」と回答し、その中でも38.6%は「多くある」とし、56.2%は「少しある」と答えました。つまり、ほぼ全ての人が何らかの形でムダを感じているということです。
ムダだとされる業務ランキング
調査結果から、特にムダだとされる業務がランキング化されました。第1位は「朝礼への参加」で、20%の回答者がこれを挙げています。続いて、2位は「意味のない会議」で17.2%、3位には「必要性の低い資料作成」で16.0%となっており、形式的な業務が上位を占めています。
1位:朝礼への参加
多くの回答者が朝礼の内容がほぼ同じであることや、無駄に時間を要することに不満を抱いています。一部の意見には「朝礼をやるより、早く生産に入った方が良い」といった声も見られました。
2位:意味のない会議
同じ内容を繰り返すだけの会議や、成果を生まない議論に対しても不満が高まっています。要は、時間を消費するだけの会議が多く、実際の業務改善につながらないことが問題視されているのです。
3位:必要性の低い資料作成
誰が見るのかもわからない資料を作成させられることに対する疑問が多く、目的や使い道が不透明な業務には、無駄だと感じる声が大多数を占めました。
ムダが無くならない理由
調査において「ムダな業務が無くならない理由」は、最も多く「習慣化している(23%)」とされ、続いて「上層部の考え(22.6%)」が挙げられました。この結果は、ムダを見直そうとする意欲があるにもかかわらず、変えることができない状況を示しています。
習慣化の影響
業務が習慣化すると、効率や必要性を考えることすら面倒に感じることが多いといいます。また、上層部の古い考え方が影響し、実際にムダ業務を改善しようという意見が、組織内で通りづらいことも一因です。
改善への周知徹底を
最終的に、調査結果は働く人々がムダの存在に気づきつつある一方で、実際の改善行動が伴っていないことが浮き彫りになりました。職場のマネージャーにとって、これらの「ムダな業務をどうにかすること」が大きな課題となるでしょう。業務の目的を自分自身で確認し、それを部下にも理解させながら、価値のある業務にしていく努力が求められています。
この調査は、職場における業務改善の方針を考える材料となり、働きやすい環境を整えるための第一歩として、多くの企業が参考にすべき結果であると言えます。