国際海事機関が船舶安全対策を議論、我が国議長が先導
国際海事機関、船舶安全対策を推進
令和7年2月24日から28日、国際海事機関(IMO)の第11回船舶設備小委員会(SSE 11)が開催されました。この会合は、我が国を議長に迎え、船舶の防火や救命設備に関する安全対策が議題として取り上げられました。近年、電気自動車や燃料電池自動車の輸送が増加する中、これらの新たな動力源を用いる自動車の防火対策に関するアクションプランが策定されました。
防火対策の重要性
会合では、リチウムイオン電池が搭載された自動車や燃料電池自動車の海上輸送が増えていることを踏まえ、それに伴う防火要件の見直しが必要であると認識されました。リチウムイオン電池は過熱や再発火といった危険性があるため、2032年のSOLAS条約の改正に向けて、これらの新技術を船舶に取り入れるための具体的な計画が策定されました。
救命設備の安全性向上
救命設備についても重要な議論が行われました。特に、救命艇の換気性能を向上させるための基準が見直されることに合意しました。この見直しは、救命艇やいかだの安全性を高め、海上の事故時における乗組員の生存率を向上させることを目的としています。また、救命艇の保守や検査に関する新たな要件も検討され、今後の実施に向けた方針が決定されました。
我が国の代表の手腕
会合の議長、江黒広訓氏(一般財団法人日本船舶技術研究協会)は、前回の会合に引き続き、再び議長に選出されました。彼の取り組みは、高い評価を受け、参加者からの信任を勝ち得ています。江黒氏は、公平かつ効率的に審議を進める手腕が認められ、次回の会合でも再び議長を務めることが決定しています。
結論
このSSE 11の成果は、今後の船舶安全対策の方向性を示す重要なものであり、日本がこの分野でリーダーシップを発揮していることを物語っています。国際的な協力が求められる中、我が国は引き続き最前線での取り組みを進めていくことが期待されます。