はじめに
第一生命保険株式会社が、顧客獲得のために新しいアプローチを試み、PickUpというシステムを導入した事例を紹介します。2023年9月から本格的に取引が始まったこのプロジェクトは、約2年にわたって続いており、その成果は非常に顕著です。
課題の背景
生命保険業界は、他の分野と比べて顧客が契約決定を下すまでの時間が長く、ランディングページ(LP)に訪れた多くのユーザーは、資料請求をすることなく離脱してしまうという課題を抱えています。このような状況下で、企業はどのようにして顧客との接点を持ち続けることができるのでしょうか?
さらに、昨今のクッキーレス時代到来により、従来のリターゲティング広告を使った離脱者への再アプローチは次第に難しくなっています。そこで、新たな接点として注目されたのがLINE公式アカウントですが、ここでもメッセージ送信にかかるコストが問題となり、効率的な運用が妨げられる一因となっていました。
このような背景の中、第一生命は新しい施策を模索していました。
PickUpの導入
そこで導入されたのが、「PickUp」です。このシステムは、完全成果報酬型スキームを採用しており、実際に成果が出た分だけコストが発生します。これにより、企業は予算に対する負担を軽減しつつ、中長期的に効果的なナーチャリング施策を展開することが可能となりました。
PickUpは、LINEとの連携によりユーザーの属性や行動に基づいて最適なメッセージを送信することができます。これにより、ユーザーとの関係を深化させながら効率的に情報を提供することが可能になります。
成果とその影響
このシステムの導入により、第一生命のマーケティング戦略には明確な効果が現れました。特に、シナリオを通じての資料請求獲得が安定して成長し、マーケティング成果を確実に計上することができるようになりました。
また、ランディングページにポップアップを設置し、PDCAを回すことで改善を続けた結果、LINE友達の獲得も着実に進みました。シナリオ配信の際には、各ユーザーに最適なタイミングや商品を柔軟にカスタマイズでき、ユーザーとの関係性もより一層深まり、ロイヤリティ向上へとつながっています。
まとめ
本記事では、第一生命保険株式会社のセールスプロモーション部の三上 智貴様と松平 咲乃様にお話を伺い、PickUp導入の背景や具体的な成果、そしてリアルな課題感についてご紹介しました。新しい技術やシステムの採用は、企業の業績向上に寄与するだけでなく、顧客とのより良い関係構築にもつながることが証明されています。
おわりに
今後も、第一生命がどのような施策を講じ、どのように顧客と向き合っていくのか、注目していきたいと思います。また、今記事を参考に、自社のマーケティング施策の見直しや改善を図ることも一考かもしれません。