IHIグループ、舶用アンモニア燃料機関の開発を進める
IHIグループの株式会社IHI原動機が、海運業界における持続可能な未来に向けた取り組みを加速しています。この度、同社が開発した舶用4ストロークアンモニア燃料機関が、第60回機械振興賞において「経済産業大臣賞」を受賞しました。この賞は、機械工業の優れた研究開発やその実用化を通じて、業界全体の発展に寄与した企業や機関に贈られます。
地球温暖化への挑戦
地球温暖化が進む中、エネルギー業界はカーボンフリー燃料への転換が急務とされています。伝統的な重油を使用しているエンジンは、環境負荷低減のために新たな燃料への移行が求められており、特にアンモニア燃料への注目が集まっています。しかし、アンモニアは重油に比べて燃焼性が劣るため、技術的なハードルが存在していました。
取り組みの概要
IHIグループは2020年度に、レシプロエンジンでアンモニア燃料を使用するための基礎検証をスタートさせました。着火条件の解明や連続燃焼条件の確立に成功し、その後も実証船向けのエンジン開発を進めてきました。この結果、世界初のアンモニア燃料タグボート「魁」の実証航海が2024年に成功する見込みです。
受賞の意義
今回の受賞は、単なる技術革新にとどまらず、持続可能な社会の実現に貢献する技術基盤の構築が評価されたことにあります。このアンモニア燃料技術は、海運業界において温室効果ガス(GHG)排出の削減に有効であることが確認されており、今後の内燃機関の燃料転換の重要な一環とされています。実証航海においては、GHG削減率が90%以上、混焼率も最大約95%に達する高い成果が確認されています。
厳しい未来に向けた取り組み
IHIグループは、アンモニア燃料の利用を拡大するためのモデルを普及させるために、さらなる技術革新とインフラ整備を進めています。持続可能な社会の実現に向けて、カーボンフリー燃料の早期社会実装を目指す取り組みは、環境負荷の低減に不可欠な要素です。
今後もIHIグループは、持続可能なエネルギー利用に向けた革新を続け、その結果として日本の海運業界をリードする存在となることを目指しています。